●積み上げ型教科では早めにつまずきの修復を
算数は、ピラミッドの石を積み上げていくように学習内容を積み上げていくので、積み上げ型の教科と言われています
どこかにつまずきがあると、その後の学習に大きく響きます。
そこで大切なのが、つまずきをできるだけ早く見つけて修復することです。
そのために一番いいのは、子どもの算数ノートを毎日見ることです。
バツがあるところや、やり直しているところは特によく見てください。
そこにつまずきがある可能性が高いからです。
●分析的に見ればつまずきの原因がわかる
見るときは、ただ漠然と見るのではなく分析的に見ることが大切です。
例えば、ある子が「3.2+5=3.7 5.8+3=6.1 」というような間違えをしていたとします。
これに対して、「小数の計算が苦手だ」という見方では漠然としています。
もっと分析的に見れば、「小数と小数の足し算はできるのに、小数と整数の足し算でよく間違えている」などと気がつきます。
さらにもっと分析的に見れば、「3.2+5などの足し算の場合、5は3の下(つまり一の位)に書くのに、2の下(つまり小数第一位)に書いてしまっている」と気がつくはずです。
●原因がわかればピンポイントで修復できる
「小数の計算が苦手だ」などという漠然とした見方だと、このようにはいきません。
すでにわかっていることをまた教えたり、すでに解ける種類の問題をやらせたりということになりがちです。
そんなことをしているうちに、本当に必要なこと指導が不十分になってしまいます。
分析的に見ることで、つまずきの原因がわかります。
それによって、むだなく的確に教えてピンポイントで修復できます。
そして、最後に練習問題をやらせて定着させます。
こういったことをしないでいると、正しくわかっていない状態のまま次の算数の授業に臨むことになります。
●まず先にほめてから直させる
ところで、「算数のノートだけは毎日を見てください」と言いましたが、それを叱る材料にしないでください。
そんなことをしていると、子どもはノートを見せるのを嫌がるようになりますし、算数が嫌いになります。
子どものノートを見たら、まずほめるようにしてください。
ほめにくいノートでも、「部分」に注目してほめましょう。
直させたいときは、たくさんほめた後にします。
そうすれば、子どもは素直な気持ちで取り組んでくれます。
初出「ママノート」
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