●反抗期は親にとっても苦難の日々


子どもが11歳くらいになると、それまでの児童期から少し抜け出して、次の段階の思春期前期に入ります。
この思春期前期は、小学校高学年から中学生前半まで続き、その後は思春期後期が18歳くらいまで続きます。


ただし、発達段階の区切り方は学説によって違いますし、男女差や個人差も非常に大きく、一概には言えない部分もかなりあります。
思春期というのは、精神的な独立をめざして親に反抗する「第二反抗期」でもあり、親にとっても苦難の日々が続くことになるでしょう。


●親の聞き方が下手だと、ますます話さなくなる


この年代を迎えたとき、親が戸惑うことのひとつとして、「子どもが話をしてくれなくなる」ということがあります。
それまでは、聞いてもいないのに自分から学校のことや友達のことをぺらぺらしゃべっていた子が、人が変わったように何も話さなくなるということもあります。


そこで焦った親が子どもに根掘り葉掘り聞き出そうとし、子どもは尋問のように感じてかえって嫌がる、などということがよく起こります。
そうならないために、親としては「こういう年頃なのだ」ということを頭に入れておく必要があります。


そして、子どものほうから気が向いていろいろ話してくれたとき、親が上手な聞き方をすることがとても大事です。
親の聞き方が下手だと、子どもはそれ以降さらに話さなくなってしまいます。
そこで、今回は上手な「話の聞き方10のコツ」をご紹介しましょう。


(1)「ながら聞き」をやめる


まず大切なのは、子どもが何かを話しはじめたら、ちゃんと手をとめてしっかり聞いてあげるということです。
何かをしながらの「ながら聞き」はNGです。
子どもは、親の状況などを考えずに話しかけてきます。


親としては、「忙しいときに限って話しかけてくる」と感じるかも知れませんが、そもそも子どもとはそういうものです。
せっかくのこのときに、親が何かをしながら適当な気持ちで聞いていると、子どもは「私の話は聞いてくれないんだ。私のことなんかどうでもいいんだ」と感じてしまいます。


(2)話の腰を折らない


子どもの話の中に、自分が興味のあることが出てきたとき、それについて話したくなってしまうことがあります。
例えば、子どもが「合唱の練習で声が出ていないと叱られて嫌だった」という話をしていたとします。

ところが、その話を聞いている途中で「『モルダウ』って曲、いいよね。ママも中学生のときに歌ったわ」などと話し出して、そのまま自分の思い出話をしてしまう、などということが起こり得ます。
おしゃべり好きの人は、日頃からこのように相手の話の腰を折っていることが多いので気をつけてください。


(3)否定しない


子どもの話をすぐ否定してしまう親はけっこう多いのですが、これは絶対にNGです。
例えば、子どもが「監督に○○って言われて、それは無理って思ったから無視した」と言ったとき、すぐに次のような返事をしてはいけません。
 

「やる前から無理って思っちゃダメでしょ」
「でもね、監督には監督の考えがあるのよ」
「だけど、やるだけやってみたら?」
「そうはいっても、無視はいけないでしょ」

 
親は「指導しなければ」という思いが強いので、このような否定をしがちです。
「でも」「だけど」「しかし」「そうはいっても」などの言葉がすぐ出る人は、気をつけてください。
否定ではなく、常に「共感」を心がけるようにしましょう。


(4)うなずきながら聞く


「共感的に聞く」ために大事なのは、「うなずきながら聞く」ということです。
この「うなずき」は、話している側にとっては「聞いてくれている。共感してくれている」と感じられて、うれしいものです。

私も講演をするときに、うなずきながら聞いてくれる人がいると、「ああ、聞いてくれている。共感してくれている」と感じて励まされます。


(5)相づちを打つ


うなずきと同じく、「うん、うん……」「へえ~」「ええ?」「ほんと?」「うそでしょ?」「そうかあ……」「そうなんだ……」などの相づちもとても効果的です。
こういう相づちを打ってくれると、話している方はとても話しやすくなります。


(6)オウム返しをする


話し手の言葉をオウムのように繰り返す聞き方を、「オウム返し」と言います。
子どもが「○○が□□でホント疲れる」と言ったら、「疲れるよね」と返します。
「○○ちゃんて、□□だから笑っちゃったよ」と言ったら、「笑っちゃうよね」と返します。


「理科の授業のときにね、先生が水をこぼして、そのあと自分で滑って転んでた」と言ったら、「自分で滑って転んだんだ」と返します。
「Aさんが○○してたから、私とBさんが注意したら『関係ないでしょ』って言われた。頭にきてふたりでぶつぶつ言ってたら、先生に怒られた」と言ったら、「あんたたちが先生に怒られちゃったんだ」と返します。

 
話し手は、「聞いてくれている。共感してくれている」と感じて、うれしくなります。

つづく
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