●叱られるとますますやる気がなくなる


勉強や宿題に自分から取り組んで欲しい、というのは全ての親御さんたちの切なる願いです。
ところが、これができる子はとても少ないのが実状であり、どうしても親が叱ることが増えます。


「また勉強してない。自分からやらなきゃダメでしょ。何度言ったらできるの!」
「宿題やってないでしょ。どんどんやらなきゃダメでしょ。いつになったら自分からできるようになるの?」


こういう言い方をされてやる気が出る子どもなどいるはずがありません。
やる気が出るどころか、ほんの少しだけあった「そろそろやらなきゃ…」という気持ちすらなくなってしまうのがオチです。


●勉強への取りかかりのハードルを下げることが大切


そこでオススメしたいのが、勉強に取りかかるときのハードルを下げることです。
というのも、取りかかりが一番大変で、取りかかってしまえば半分終わったようなものだからです。
まず紹介したいのは私のメールマガジンの読者が教えてくれた方法です。
その家の男の子は学校から帰ってくると玄関にも入らないそうです。


玄関数メートル手前でカバンをおろし、ポーンと放り投げます。
玄関の中にカバンが入ろうが入るまいがおかまいなしで、そのまま遊びに行ってしまいます。
そして、遊びから帰ってきてもいつまでも宿題をやらず、さんざん叱られて夜になってから泣きながらやるということの繰り返しでした。


●取り敢えずカバンの中身を全部出しておく


ある日、お母さんは叱り疲れてぼうっとしていたら、パッといいアイデアがひらめきました。
そして、玄関近くのテーブルの上に広くて浅い箱を置きました。
そして、子どもが学校から帰ってきたら、カバンの中身を全部その箱に出してから遊びに行くように言いました。


男の子も、「それくらいならできるよ」ということでやり始めました。
その出し方がすごくて、カバンの蓋を開けて逆さにし、激しく振るって出すそうです。
ですから、箱の中に乱雑に出るわけです。
でも、それでも良しにしているそうです。


その子が遊びから帰ってくると、その箱の中に全部出ています。
当然、宿題の算数プリントも漢字ドリルも書き取り帳もその箱の中に出ています。
その一部が、あるいは半分くらいが、目に見える状態になっています。
これによって宿題を意識するようになったらしく、また実際に手に取りやすくもなったようで、お母さんがガミガミ言う回数が半分以下になったそうです。


つづく
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