子育てをするなかで、思いのほか悩むのが“祖父母”の存在です。
子育てにどれだけ関わってもらうべきなのか。
子どもにどんな影響があるのか。
今回は、祖父母との関わり方を紹介します。


●親力1
子育てへの手伝いの長所短所を書き出す


祖父母が同居していたり、近くに住んでいる場合は、ぜひ子育てを手伝ってもらってください。
親子、祖父母全員にメリットがあるからです。


まず親のメリットですが、親は仕事と子育てに追われるなか、どうしてもピリピリしがちです。
子どもの些細な失敗に対しても、きつい言葉を投げかけてしまいがちですね。
祖父母に子どもの面倒を見てもらえば、心に余裕が生まれ、接し方がマイルドになり、子どももリラックスできます。


また祖父母は子育ての経験者です。
反抗期の対応など、親にとっては未知の事柄について、的確なアドバイスをしてくれます。
家族としての一体感が出てくるメリットもあります。
子どもを一緒に育てるという共同的な時間を持つことで、家族としての親密度が上がってくるのです。


一方でデメリットもあります。
特に起こりがちなのが、育ってきた環境や時代が違うことによる“価値観のズレ”。
これによる親のストレスは大きく「お母さんには頼りたくない!」となることも。
しかしメリットが多いなか、それを放棄してしまうのは得策ではありません。


そこで実践してほしいのがメリット・デメリットの書き出しです。
紙に書くと、客観的に物事を見ることができるようになります。
「短所はあるけど、それを上回る長所がある」と総合的に判断でき、あるいは「あまりに短所が大きいから、手伝ってもらう度合いを減らそう」といった戦略が冷静に立てられるようになります。




●親力2
子どもにとっての長所短所も理解する


祖父母の子育てへの参加は、子どもの成長にもプラスになります。
祖父母は、孫に対してやさしいもの。
親に叱られても、自分を受け入れてくれる人がいることは、子どもにとって“心の基地”となり、大きな安らぎが得られます。


同時に「自分は愛されている」と実感できることで気持ちが安定し、結果として、他人に対してやさしく接するようになります。
また「荷物を持ってあげよう」といった具合に、人に対する思いやりの心も自然と育まれるのです。


祖父母や彼らの知り合いなどと接することで、多様な人間関係が経験できる点も大きなメリット。
人には色々な価値観があると体感することで、人間理解を深めることができます。
さらに伝統的な習慣など、さまざまな体験ができ、それが子どもの心の栄養になります。


子どもの隠れていた長所を見出すことができる点も見逃せません。
親はわが子を一方的な価値観で見る傾向にあるため、時に「乱暴な子」といった具合に、子どもの性格を否定的に捉えがちです。


しかし祖父母は「とっても元気のいい子」とプラスに感じ取っていることも多くあります。
それが子どもに伝われば、子どもは自分に自信を抱くようになります。


一方でデメリットとなる可能性もあります。
例えば、一日中叱ってばかりのお爺ちゃんもいるかもしれません。
これでは子どもは自信をなくします。
ここでも、メリットとデメリットを書きだして、総合的に判断していくことが重要です。




●親力3
祖父母にとっての負担も考える


親側から見て、祖父母が子育てに加わることは「祖父母にとって嬉しいこと」と解釈しがちですが、そう感じない人もいることは理解しておくべきです。


確かに目的意識が生まれたり、他人から必要とされることで存在感を実感できたりと、祖父母にとってもメリットが多いことは事実です。
子どもと接することで、イキイキとした生活が送れて、老化防止にも役立ちます。


しかし、なかには経済的負担や心理的負担を感じているケースもあります。
こうした場合、祖父母の口から不満が語られることはまずありません。
親が祖父母の様子を見たり会話するなかで把握し、場合によっては一定の距離を置くなどの判断を下しましょう。




●親力4
祖父母との人間関係をアップさせる


祖父母に気持ちよく子育てを手伝ってもらうには、まず人間関係を良好にしておくことが大切です。
そのためには、まずは普段からこまめに声をかけることを心がけてください。
お年寄りは孤立感を抱く傾向にあるため、声をかけてもらうことは、とても嬉しく感じるものです。


また、祖父母の話には「そうだね」と共感的に聞くとともに、ほめることも忘れないこと。
例えば、昔話を聞いたら「お爺ちゃん、すごいね!」とほめてあげれば、悪い気はしないものです。


また親自身が祖父母に自己開示することも重要です。
本当であれば、あまりさらけ出したくない悩みなどを打ち明ければ、その分、相手も心を開いてくれるものです。


また普段からお礼を言うことも忘れないこと。
時々、子どもがお礼の手紙を書いて送るのもいいでしょう。


家族全員で撮った写真を届けるのも、いいアイデア。
額に入れて渡せば、祖父母は目立つ場所に置くようになります。
写真を目にする機会が増えることで、子どもや家族に対して、愛着が沸くようになります。




●親力5
教育観や価値観のズレはうまく改善していく


先にも述べたように、祖父母に子育てを手伝ってもらう際、価値観のズレを感じることは少なくありません。
さらに教育観に隔たりがあることも。
このような場合は、親力1で紹介したように、メリットとデメリットを書きだし、総合的に判断を下すことが求められますが、中には「これだけは直してほしい」と妥協できない事柄も出てきます。


この場合、親が直接言うことが難しいのであれば、そのことに触れた本や雑誌の切り抜きを何気なく見せたり、一緒に子育てセミナーに参加するなどして、祖父母が自ら考えを改めるように持っていきます。


どうしても直接伝える必要がある場合は、上手に伝える工夫をしましょう。
まず普段の感謝の気持ちを伝えたうえで、最後に切り出すせば、相手はすんなり受け入れてくれるものです。




●親力6
プレゼントやお年玉は感謝の気持ちを育む機会


正月や誕生日など、祖父母から贈り物をもらう機会は多くありますが、過度でなければ、ありがたくもらって構いません。
そのとき大切なのは、祖父母に対する感謝の気持ちと共に、もらったお金を大切にしようという気持ちが持てるようにしてあげることです。


例えば、お年玉を貯金する場合は、子どもと一緒に銀行に行き、預金通帳を作り「将来のために1万円貯金しようね」などと話ながら、お金を預けるようにしましょう。
そうすれば子どもは「自分のお金を大切にしよう」と実感できるようになります。




●親力7
祖父母の家の安全性を確認する


祖父母の家は、必ずしも子どもの安全に配慮した環境にはなっていません。
わが子を預けるにあたっては、あらかじめ“安全性”をチェックする必要があります。


2階のベランダや窓際に子どもが乗りそうな椅子が置いてないかなど、親の目で危険な個所をチェックして改善していきましょう。

また祖父母の家には、親の携帯電話番号など、緊急連絡先の一覧表を目立つ位置に貼っておくことも大切です。


(ひと言)


「甘やかすから」といった理由から、祖父母に子育てを手伝ってもらうことに否定的な親御さんもいますが、彼らの存在は、子どもの成長に欠かすことはできません。
ぜひ祖父母と良好な関係を築いて、一緒に子どもを育てていきましょう。