●大人同士なら共感できる


もし、職場で同僚の誰かが「あ~、疲れた。仕事が多すぎ。もうやりたくない」と愚痴をこぼしたら、あなたは何と答えますか?
「そうだよね。仕事が多すぎだよ。なんでこんなに忙しいんだろ」と共感するはずです。


「何言ってるの。大変なのはあなただけじゃないのよ。仕事で給料もらってるんだからちゃんとやらなきゃダメでしょ」とは言わないはずです。
そんな正論を言っていたら、人間関係が壊れてしまいます。


職場では、お互い愚痴を言い合い共感し合ってストレスを発散させています。
そのおかげで、大変な仕事もなんとか続けられるのです。


●わが子には共感できない


ところで、もし自分の子どもが「あ~、疲れた。宿題が多すぎ。もうやりたくない」と愚痴をこぼしたら、あなたは何と答えますか?
「何言ってるの。どんどんやらなきゃダメでしょ。子どもは勉強が仕事なんだから」などと、正論で叱ってしまうことが多いのではないでしょうか?


でも、こう言われてやる気が出る子はいません。
それどころか、よけいにやる気がなくなってしまいます。
おまけに、愚痴も聞いてくれない親に対していい感情を持てなくなります。
「ママに何を言ってもムダ。お説教されるだけ損だ」と思えば、子どもは何も言わなくなります。


●共感してもらえると素直になれる


こういうときは、職場でするように共感的に聞いてあげることが大切です。
「宿題が多くてたいへんだね。疲れちゃうよね」と共感してあげてください
すると、子どもは「自分がどれだけたいへんか、わかってもらえた」と感じて、気持ちが楽になります。


同時に、お母さんは自分の気持ちがわかってくれると感じて、お母さんに対して素直な気持ちになります。
そして、しばらくして頃合いを見計らって、「そうはいっても、ちょっとだけやっておこうか」とか「ママが手伝ってあげるから半分だけでもやっておこう」などと声を掛けてみます。


すると、子どもも「やらなきゃ」という気持ちはありますので、素直な気持ちで取りかかってくれます。
実際に取りかかってみるとエンジンがかかって、意外とやれるものです。


●旦那さんにも共感を


大人同士では共感的な対応ができるのに、子どもに対してはできないという人が多いようです。
ぜひ、わが子にも共感的な対応をしてあげてください。
みんな自分の大変さをわかってもらいたいと思っているのです。


わかってくれた人には大きな信頼を寄せるようになり、素直な気持ちになれるので人間関係がよくなります。
ですから、旦那さんにもいろいろなことで共感してあげてください。
しばらくすると、びっくりするほど夫婦の人間関係がよくなります。

初出「ママノート」学研

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