●「はい、バツ。これもバツ」ではカチンとくる
みなさんは、子どもがやった算数プリントや計算ドリルを見るとき、どんな感じになっていますか?
「はい、バツ。これもバツ。
あ、これもバツじゃん。
何やってるの?
この前教えたでしょ。
繰り上がりとか書かなきゃダメって言ったよね。
ちゃんと書かないから間違っちゃうんでしょ。
間違ったところ、しっかり消して、今すぐやり直しなさい。」
と、まあ、こんな感じですかね?
これでは子どももカチンときます。
これでやる気が出たら不思議というものです。
これでやる気が出る子なんて、世界中探してもいないと思います。
●「はい、マル。これもマル」にかえると子どもは素直になる
この場合も、”まずほめる。取り敢えずほめる”に変えてみてください。
そのためには、部分に注目することが大事です。
たとえば、次のようになるといいですね。
ママ
「はい、マル。これもマル。
お、これもマル。
すごいじゃん。いい感じ」
子ども
「やった~」
ママ
「あ~、惜しい、これ違っちゃった。
あ~、これも違う、残念。
やり方はわかってるのにね~。
繰り上がりをちゃんと書いていればな~。
惜しかったね。
じゃあ、惜しかったところ直して、このページクリアしちゃおう」
子ども
「ようし、やるぞ」
●まずほめてから、間違いを探させる
あといくつか、変え方の例を紹介します。
ママ
「ほら、これ単位が違うでしょ!
答の数字は全部合ってるのに、ミリメートルとセンチメートルを間違えてるのがわからないの?
せっかく計算が合ってても意味がないでしょ。
ここ全部、単位を書き直しなさい」
子ども
「イヤ。めんどくさい」
↑↑↑↑↑のようなやり取りを↓↓↓↓↓のように変えてみましょう。
ママ
「お~、すごい、答の数字は全部合ってるよ。
しっかり計算できたね。
たいしたものだ。
でも、惜しい、何かが違ってる…。
それは何でしょうか?」
子ども
「え、何かな?
う~ん、あ、単位だ。
単位が違っちゃった!
全部直さなきゃ」
●まずほめてから、間違えた理由を考えさせる
ママ
「筆算は合ってるのに、何で答の所が違ってるの?
あ、そうか、また答を写し間違ってるんだ。
しっかり見て書き写さなきゃダメって言ってるでしょ」
子ども
「……」
ママ
「やった後で見直ししないからこうなるのよ。
これからちゃんと見直ししなきゃダメだよ!」
子ども
「え~、やだ~。めんどくさ~い」
↑↑↑↑↑のようなやり取りを↓↓↓↓↓のように変えてみましょう。
ママ
「筆算、合ってるね。
このめんどうな計算、よくできたね。
でも、なんで答のところが違うのかな~?」
子ども
「あれ、おかしいな。
あ、そうだ。書き写すとき間違っちゃったんだ」
ママ
「あ~、惜しかったね。」
子ども
「ホントに惜しかったな~。これからちゃんと見直ししようっと」
●必ずよい循環が始まる
このように、算数でも”まずほめる。取り敢えずほめる”を実行してみてください。
これに徹していれば、必ずよい循環が始まります。
すぐに変化がないからといって”まず叱る。取り敢えず叱る”に逆戻りはしないでくださいね。
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