●子どもの屁理屈に親がキレる
子どもが成長してくると屁理屈を言うようになります。
それに対して親がキレてしまうことがよくあります。
「どっちがえらいかわからせなくっちゃ」という感じで。
子 ねえ、○○を買って。
親 ダメ。買わないよ。
子 だって、みんな持ってるんだよ。
親 ひとと比べないの。ひとはひと。うちはうち。
子 え~? なにそれ!
親 ところで、あんた宿題やってないでしょ。
子 後でやるよ。
親 □□君は、家に帰ってくるとすぐ宿題やるんだってよ。
子 お母さん、さっき、ひとと比べないって言ったじゃん。
親 口答えしないの。あんたのために言ってるのよ。
子 お母さん、言ってることとやってることが違うじゃん。自分の言ったことはまず自分が守らなくちゃいけないんじゃないの?
親 何を生意気なこと言ってるの! 誰のおかげで生きてると思ってるの? 毎日ご飯が食べられるのは誰のおかげ?!
子 だって産んでくださいって頼んでないもん。
親 何言ってるの! あんたなんか産みたくなかったよ。もっといい子を産みたかったよ。あんたみたいなバカで怠け者なんか産まない方がよかったよ!
●生意気な屁理屈に親がキレる
子 お母さん、片づけ手伝って。
親 自分のことは自分でやりなさい。人を当てにしない!
こういう会話があってしばらくして…。
親 ちょっと、あんた、食堂から踏み台を持って来てよ。
子 お母さんもひとを当てにしてるじゃん。さっき「自分のことは自分で」って言ったよね。
親 屁理屈言って親の揚げ足を取らないの。誰のおかげで学校に行けてると思ってるの?
子 学校に行きたいなんて頼んでないもん。
親 いつからそんなに生意気になったの? 屁理屈ばかり言ってないで、ちゃんと親の言うことを聞きなさい !そんなことだから勉強もできないんだよ。この前のテストは何? 頭が悪い癖に屁理屈ばっかり一人前で! あんたなんか、口ばっかりじゃないの。
●いくら頭に来ても存在や人格を否定する言葉はNG
お互いに「ああ言えばこう言う」状態ですね。
だんだん生意気になって屁理屈を言うようになってきたわが子に、イライラしている方も多いと思います。
自分はできないくせに大人を批判して屁理屈を言うのはうまい、という子もけっこういますから。
でも、いくら頭に来ても、言ってはいけないことは言わないでください。
それは子どもの存在や人格を否定する言葉です。
先に2つの会話の例を挙げましたが、その最後の部分はいずれも言ってはいけないことですね。
こういうことを言ってしまうと、子どもは深く傷ついて、親の愛情を疑うようになります。
●屁理屈がうまい子は頭もいい
それに、子どもが屁理屈を言えるようになったということは論理的な思考力がついてきたということでもあります。
つまり、順調に成長している証であり、屁理屈がうまい子は頭もいいのです。
もう一つ大事な点として、親を信頼しているからこそ安心して屁理屈が言えるということもあります。
その意味で親に対する形を変えた甘えでもあります。
また、自分の理屈がどれくらい通用するか試す一つの武者修行でもあります。
つづく
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