●NGな対応

 
親 「何やってるの?けんかしちゃダメでしょ」
子 「だって、○○が俺のおもちゃ取っちゃうんだもん」
親 「おもちゃ取られたら叩いていいの?あなたお兄ちゃんでしょ。そういうの暴力だよ。ダメなものはダメなの」
子 「だって……」

 
親 「『だって』じゃありません。いつも言ってるでしょ。何度言ったらわかるの」
子 「だって……」
親 「言い訳しない!」
子 「だって……」
親 「黙りなさい」
子 「……」

 
親 「どんなことがあっても叩いちゃダメでしょ。あなたそんなに意地悪なお兄ちゃんなの?」
子 「……」
親 「自分より小さい弟を叩いていいの?」
子 「ダメ…」
親 「わかっててやるの?」
子 「……」

 
親 「黙ってちゃわからないでしょ」
子 「……」
親 「何とか言いなさい」
子 「だって……」
親 「『だって』じゃない!」
子 「……」

 
親 「あなた、お兄ちゃんなんだからね。もっと弟に優しくしなきゃダメでしょ!」
子 「……」
親 「いい?わかったの?」
子 「……」
親 「返事は!」
子 「はい……」
親 「『これから弟に優しくします』って言いなさい」
子 「これから弟に優しくします……」

 


●OKな対応

 
親 「何やってるの?どうしたの?」
子 「だって、○○が俺のおもちゃ取っちゃうんだもん」
親 「じゃあ、お兄ちゃん、こっちに来てお話聞かせて」
子 「うん」

 
(弟のいない所で話を聞く)


親 「どうしたの?何があったの?」
子 「だって、○○が俺のおもちゃ取っちゃうんだもん」
親 「おもちゃ取られちゃったんだ…」
子 「そうだよ、そうだよ。俺が遊んでるといつも○○が取ってくる」

 
親 「いつもなの?」
子 「そうだよ。いつもだよ。この前だって俺がブロックで遊んでたら、ブロック壊しに来た」
親 「そうなんだ。せっかく楽しく遊んでたのに、それじゃあ遊べないね」
子 「その前は積み木を積んでたら壊しに来た」
親 「そうなんだ。それも困るね。お兄ちゃん、ゆっくり遊べないね」
子 「ほんと、困っちゃう」

 
親 「困っちゃうねえ。何かいい方法ないかなあ」
子 「何かないかなあ」
親 「なかなかないねえ」
子 「……」
親 「……」
子 「俺、お兄ちゃんだから、これからは先にやらせてあげようかな」

 


●共感してもらうと素直になれる

 
親が、まずは子どもの話をたっぷり共感的に聞いてあげることが大切です。

 
そうすると、子どもが「自分の気持ちをわかってもらえた」「自分がどんなに嫌な気持ちでいたか、お母さんはわかってくれた」と思えるようになります。