●質問者
前回は、教育評論家の親野智可等先生に“自分からやる子”を育てる方法として「叱らない」「肯定的な言葉を使う」「ほめる」という3つのポイントを教えていただきました。
今回は、叱らないでしつけを身につけさせる具体的な方法を親野先生にお聞きします。
●親野
今回は、なかなかできないことができるようになるための一つの工夫として「カード式」を紹介します。
●質問者
カードと聞くと、子どももゲーム感覚で楽しめそうですね。
どのようなカードを作ったらよいでしょうか。
●親野
例えば、表には「やるべきこと」を、裏には「できた」などと書きます。
ある家では、帰宅してすぐやるべきこととして次の4つを決めていて、それをカードに書いてあります。
うがい・手洗い
給食セットをキッチンに持っていく
連絡帳とプリントを出す
宿題に使う物をテーブルに出す
それをホワイトボードに貼ってやることの見える化をしています。
やることが見える化されていると、実行につながります。
実行したら、子どもが自分でカードを裏返して貼ります。
裏側には「できた」「えらい」「この調子」「がんばったね」などと書いてあり、子どもはこれを見るのがちょっとした楽しみになっているそうです。
●質問者
カードを裏返すことで、子どもも達成感を感じることができますね。
●親野
朝の時間帯でしたら、次のようなものが考えられます。
顔を洗って口をすすぐ
食べたら食器を流しに
歯磨き
着替え
登校準備
●質問者
カードに書いてあると、次にやることがはっきりわかっていいですね。
朝の時間帯にてきぱき動いてくれると助かります。
●親野
ただ、新1年生の場合、こうした工夫をしてもできないこともあります。
そんなときは、焦らないのが肝心です。
できないときは、親は潔く目をつぶります。
子どもの成長に合わせて、様子を見ながらやっていきましょう。
●質問者
工夫をしてもできないときはまだその時期ではないと、割り切りも必要なんですね。
子どもを信じて、長い目で見守っていきましょう。
親野先生、ありがとうございました。
初出「ママノート」学研
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