●小1ママ

「子どもが学校から宿題を持って帰るようになりました。 家で勉強する習慣をどうつけさせたらよいでしょうか?」

放っておくのもダメだろうし、かといって先生みたいに教えるのもどうかと思うし・・・。
そんな小1ママの不安を教育評論家の親野智可等先生にぶつけてみました。


●親野

1年生のこの時期は、『宿題』といっても心配はいりません。

子どもたちは、『小学校は勉強をするところ』とはりきっていますし、 前向きに積極的に取り組んでくれまず。
宿題をやらなくて困る、ということはまずありません。


宿題の内容も、『あいうえお』のプリントだったり難しいことはないので、それこそ“ちょちょいのちょい”で終わるでしょう。


●小1ママ

いつかは心配しなければならないかもしれませんが、今は、内容も簡単だし、やる気もあるしで心配無用とのことですね。

では、この時期、親の出る幕はないのでしょうか?


●親野

そんなことはありません。

この時期、親として大事なのは子どもに『勉強って楽しいなー』という気持ちを味わわせつつ、家庭学習の習慣がつくように導くことです。
最初が肝心です。


大切なのは、子どもが勉強したらほめてあげること。
これが鉄則です。
しかもできるだけ早いほうがいい。

教育心理学で『即時確認の原理』というのがあります。
もし、働いていて難しければ、帰宅したらできるだけ早く見てあげて、ほめてあげてください。

できるだけ早く見て、ほめる。
そうすることで喜びが倍増し、意欲も高まります。


勉強したことをほめてあげて、例えばひらがなを書いて持ってきたら『上手に書けたね』『この曲がり方がいいね』『この横の線、まっすぐに書けたね』『濃く書けたね』など、コツは細部を見ることです。

全体を漠然と見ていると、『下手だなー』とか思ってしまいます。
そうすると、ほめることができなくなってしまう。
部分に注目すればほめられないことはありません。


たくさんほめて、丸付けもしてあげてください。

学校や先生によっても異なりますが、私は、この時期は丸付けも親がしてあげるといいと思います。
そうすれば、子どもも喜びます。


●小1ママ

まだ習い始めですから、間違って書いている場合もありますよね?
直したいところがあるときには、どうしたらいいですか?


●親野

直したいところがあるときには、たくさんほめた後で最後に『じゃあ、こことここを直してみようか』と言いましょう。

それで直したら、またほめてください。
この順番が大事なんです。


最初にほめるということができない親御さんが多いですね。
まず、間違ったところが目についてしまう。

『こうじゃない、ここはとめるでしょ?』『もっとていねいに書きなさいよ』などということが最初にきてしまうと、子どもは『勉強したら叱られる』という1つの認識ができてしまう。

これがまずいのです。


●小1ママ

なるほど、まずは「ほめる」が鉄則なんですね。
親野先生ありがとうございました。

次回は家庭学習にかける時間の目安についてお伺いいたします。

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