●歯磨きを忘れてしまう

 
家庭において、日々子どもを叱り続けている親がたくさんいます。
親にとっても子にとっても辛く、親子関係の崩壊に至ることにもなりかねません。
 

それはやめた方がいいと思います。

 
それよりも、合理的な工夫で叱らないシステムをつくってみてください。

 
わかりやすい例を出します。
 

例えば、なかなか食後の歯磨きをしない子がいたとします。


どうしたら、磨くようになるのでしょうか?
 

できる工夫はたくさんありますが、一つの例を挙げてみます。

 

 
●お箸と一緒に歯ブラシも並べておく

 
みなさんが食事の支度で食器やお箸を出すとき、ついでに歯ブラシも出して並べておきます。
歯磨きセットでもいいですが、食卓に置くのに抵抗がある場合は、歯ブラシだけでもいいでしょう。

 
歯ブラシだけでもちょっと抵抗のある人はいるかも知れません。
でも、そこに出ていれば食後に歯を磨く可能性は跳ね上がります。
そして、磨いていたらほめます。

 
「このごろ自分で磨けるね。立派、立派」
「うん、自分で磨ける」


出してあげたおかげですが、それはお互い触れません。

 
これを一週間続けます。


一週間くらい経ったら、ある日歯ブラシを出すのをやめてみます。
つまり、ちょっと手を離してみるのです。

 
それで磨けたら、さらにほめます。
磨けなくなったら、また出してあげればいいだけです。


あるいは、自分ではじめから歯ブラシを出すようにしてもいいですね。
 

そこで、いちいちイヤミを言ったり叱ったりする必要はありません。

 

 
●無理に手を離す必要はない

 
これらの流れを書き出すと次のような4段階になります。

 
1,できるように工夫する

2,できたらほめる

3,少しだけ手を離してみる

4,ダメならもう一回、あるいは別の工夫をする

 
この4段階はいろいろな面で応用可能です。
 

ただし、とくに急いで次の段階に進む必要はありません。
歯ブラシが出ていないと磨き忘れてしまうなら、無理に手を離さず、出し続けてあげればいいだけのことです。
 

そんなことで、また叱る材料を増やす必要はありません。