学校への登下校、夏休みの友達との遊び……。
子どもが親と離れて、外で行動する時間は想像以上に多いものです。
その時、不安なのが子どもの身の安全と交通安全です。
日ごろから親がすべき対策を紹介します。


●親力1
学校内の危険について 子どもに注意を喚起


学校は、子どもが事故に遭わないように校内の安全点検を定期的に行っていますが、それでも完璧ということはありません。

ですから、親も授業参観の時などに校内を見て回り、危険箇所について子どもに話してあげることが大切です。

まずチェックすべきは2階以上の教室や廊下の窓際です。窓際にはロッカーなどを置いてはいけない取り決めになっていますが、そのルールが守られていない学校もあります。

子どもがロッカーに乗ってそのまま窓から転落する危険があるので、必ずチェックし、もし置いてあったら、子どもに注意を促してください。

それと同時に、学校側に改善を求めること。学級委員の役員やPTAを通しても構いませんが、すぐに行動してください。

学校の駐車場も危険と隣り合わせの場所です。休み時間に駐車場でかくれんぼなどしていたら要注意。

車の持ち主は主に先生のため、登下校時以外、車の移動はないと思いがちですが、出張などでイレギュラーな時間に乗ることも多々あります。

保護者が車で来校することもあります。「駐車場では絶対に遊ばないこと」と言い聞かせてください。

遊具についても親の目で見て回り、安全な使い方について親の言葉で話してあげることが大切です。

雨上がりに濡れている遊具から滑り落ちてケガをする子も多いので、そのことも話してください。


●親力2 
危険の度合いを具体的に伝える


言葉でいくら「危ないから気をつけなさい」と話しても、子どもはどれだけ危険なのか、イメージしにくいものです。そこで重要になるのがより具体的に伝えることです。

例えば、相手の顔をパンチすれば、鼻、目、歯などがどうなるか教えたり、あるいは自分で想像させたりしましょう。

実際に“現物”を見せながら説明すれば、さらに効果的です。例えば「尖った物の持ち歩き」は大変危険ですが、それを理解していない子どもは多くいます。

箸やハサミ、鉛筆などを実際に手にしながら「もし転んで、これが目に入ったらどうなる?」と、その危険性を説いてあげてください。

親力1にも言えることですが、こうした危険については、学校の先生も児童に話しているものです。しかし児童40人の前で話しても、それほど危険性は伝わらないのが事実。

そのためにも、親がわが子の目を見ながら、愛情を持って話すことが求められるのです。


●親力3
通学路を一緒に歩き危険について現地指導


交通安全と不審者対策を兼ねて、通学路を親子で歩きながらどの場所が危険であるかを一緒に確かめましょう。その際はできるだけ登下校の時刻に合わせて歩くこと。

さらにもし自転車通学であれば、自転車に乗るなど、実際の登下校と同じシチュエーションで実施することで、危険な場所を正確につかめるようになります。

交通事故は子どもの飛び出しが原因で起こることも多くあります。一緒に歩き、飛び出しやすい場所があれば、立ち止まって現地指導してください。

もう一つ、交通事故を招きやすいのが交差点の待ち方です。トラックが右左折する際は、内輪差により後輪が前輪より内側を通るため、道路ぎりぎりの場所で待っていると、後輪に巻き込まれる危険性が高くなります。

しかし、ほとんどの子は内輪差について理解していません。トラックなどが曲がるところを一緒に見ながら「道路から1メートル以上下がって待とう」などと教えましょう。

こうした注意事項は、親自身も日ごろから守ることは肝心です。子どもは親をよく観察しており、親の行動の真似をするものです。

皆さんは自転車に乗っているとき、交差点で左右の安全を確認してから走り出していますか? わが子には注意を喚起しながら、自分の行動がいい加減では、親として失格です!

不審者対策としては、人通りの少ない道や暗い道は、通学路にしないことも視野に入れて。

子どもが被害に遭いそうになったときに助けを求めに駆け込める「こども110番の家」の場所も一緒に確認しておきます。

その際は、親子でその家や店を訪問し、挨拶しておくのもいいでしょう。いざというとき、子どもが入りやすくなります。


●親力4
登下校時の持ち物や服装に気を配る


子どもが登校時に持つ荷物や服装に無頓着の親がいますが、それでは子どもの安全に問題あり。

まず徹底したいのが、荷物を両手で持たせないことです。転んだときに大けがにつながるからです。

また帽子など、風で飛ばされる可能性のあるものには、紐を付けるなどの対策をしてください。

冬は「耳あて」を付ける子どもがいますが、音が聞こえにくくなり、それが事故につながる危険性を高めるので、要注意です。

またランドセルに給食袋や体育着、定期券を長い紐でぶら下げている子どもを見かけますが、あれは非常に危険。

車やバイクのミラーに引っ掛かると、命に関わる可能性があります。


●親力5
子どもの自転車には細心の注意を払う


子どもがほぼ毎日乗っている自転車。夏休みになれば友達同士で遠出をする機会もあるでしょう。それだけに事故が起こらないように、わが子の自転車に関心の目を向けることが大切です。

まずチェックしたいのが、自転車のサドルの高さ。わが子の両足は地面につきますか? そのほかブレーキの効きめや電気の点灯、蛍光ステッカーの有無も要チェックです。

ヘルメットも必ず被らせること。交通事故に遭ったとき、生死を分けるポイントになります。

しかし、真っ白いヘルメットだと「かっこ悪い」と、親の見ていないところでは取ってしまうもの。

少々値段が張っても、子どもが被りたくなるようなデザインのヘルメットを買い与えることも考えてください。


●親力6
普段から親子で交通安全について話し合う


子どもが事故に遭ったり、不審者に連れ去られたりするニュースは頻繁に流れます。このとき、そのニュースを題材にして「どうして起こったんだろうね」と親子で話し合いをする習慣を付けてください。

同じようなことが起こったとき、どんな行動を取れば、事故を避けることができるのかなどをディスカッションするのです。

また親がこれまで経験した“ヒヤリ・ハット体験”を話し、その対策を親子で探ってみてください。子どもは身近な人の体験には大きな関心を抱きます。

親の体験は、まるで自分自身の経験のように感じるものです。そこから安全の大切さを教えてあげてください。


●親力7
親の愛情を子どもに日ごろから実感させる


子どもは「自分は親に大事にされている」と感じると、自分を大切にしようと考えるようになります。

そういう子は車の行き来が多い道路で「ここで渡ったほうが早い」と思っても「でも危険だから信号まで歩こう」と安全を優先します。

逆に、愛情を感じていない子どもは「心配をかけて振り向かせたい」という意識が働き、自ら危険なほうを選ぶことすらあり得ます。

子どもは、ほめられることで愛情実感が沸きます。日頃から穏やかな表情でたくさんほめてあげましょう。

また家の目立つ場所に家族写真を貼っておきます。子どもはその写真を見て、自分が家族の一員であり、愛されていることを実感できます。

こうした取り組みが、回りまわって交通安全にも結びついていくのです。


(ひと言)
わが子の身の安全や交通安全について「気をつけなさい」のひと言で済ます親が多くいますが、それでは何の解決策にもなりません。

親が手本を示しながら、子どもと一緒になって安全について考えていくことが重要だと肝に銘じてください。

初出「AERA with Kids」

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