今週の相談
 
小学2年生の娘はもともと、私に似てあまり体育が得意なほうではないのですが、先日の家庭訪問で、担任の先生からも「あまり体育が得意ではないですね? 上半身と下半身の動きがバラバラです」と言われました。

人に言われてやるのがあまり好きではないタイプなので、楽しみながら運動を好きになってほしいと思い、本人の希望もあってチアダンスを習わせていますが、普段の生活で何か手軽にできることがあったら教えていただきたいと思います。(まいこあら さん)


【親野先生のアドバイス】

まいこあらさん、拝読いたしました。

「楽しみながら運動を好きになってほしい」という気持ちがすばらしいと思います。
これが一番大事です。
こういう気持ちがあれば、もともと運動が苦手な子にも、一生涯楽しみながら運動を続けていく基礎を作ってやることができます。
一言で言えば、「生涯体育の基礎作り」ということです。

はっきり言って、体育の得意不得意はかなり先天的なものです。
これは、私自身が子どものころから実感していることです。
スポーツ、運動、体育、これらで活躍する友達を横目に、なんとかボチボチやってきたほうなので。

でも、苦手は苦手なりに、それなりに体育の授業も運動部の部活も楽しんできました。 

ですから、今はあまり体を動かす時間がありませんが、運動自体は嫌いではありません。 

付き合いのレクリエーションでも、下手なりに楽しんでやりますから。

ということで、その子なりに楽しく運動をする経験が大切だと思うわけです。
そのためには、無理なく、楽しみながら、ほめながら続けることです。
本人も実力はわかっているわけですから、決して「下手だ」とか「上達が遅い」などと言わないようにしてください。

その点でいつも私が気になることがあります。
これは、このご相談のかたには関わりないかもしれませんが、いい機会なので触れたいと思います。

それは、スポーツ少年団や各種スポーツ団体の指導に関わることです。
その練習や試合の場で、この「生涯体育の基礎作り」という目的を忘れた「指導」(?)が行われることがあります。
たとえば、指導者が目に見える成果を求めすぎて、いきすぎた練習をさせることもその一つです。
もう一つ気になるのが、監督・コーチ・親などが、チームの勝利にこだわるあまり、上達しない子や試合で失敗した子に聞くに堪えない暴言を浴びせることです。

こういうことが、子どものスポーツ指導の場でかなり起きています。
もともと、子どもの「生涯体育の基礎作り」が目的のはずです。
それなのに、いつの間にか大人たちの自己実現のためのものになっているのです。
こういうことは、厳に戒めなければなりません。

ところで、「普段の生活で何か手軽にできることがあったら教えていただきたいと思います」とのことなので、いくつか提案したいと思います。

小学2年生の子でしたら、ぜひ、体を使った親子遊びをたくさんするといいと思います。 

(1) 子どもを逆さに持ち上げてやるだけで、逆さ感覚が育ちます。
(2) 親が子どもの両手を持ってやり、子どもは自分の腹筋を使って足抜き回りをします。 
これで回転感覚が育ちます。
(3) 布団の上でのでんぐり返りで、回転感覚が育ちます。
(4) 親子でアザラシ歩き競争をすると腕支持感覚がつきます。
アザラシ歩きとは、両手を腕立て伏せの状態にして両足の甲を床に着け、そのまま両手を交互に動かしてアザラシのように前進するのです。
(5) 親が支えてやって、倒立の練習をするのもいいでしょう。
これで腕支持感覚が育ちます。

これらの逆さ感覚・腕支持感覚・回転感覚などは、鉄棒・マット・跳び箱などに役立つ基本的な感覚です。
さらにこのような親子遊びをしていると、腹筋や背筋をはじめとして、いろいろな運動に必要な筋力を鍛えることができます。
それと、柔軟性も養えます。
また、自分の体を動かすことの気持ちよさや楽しさを味わうことができます。
そして、何よりも、親子のスキンシップという面でもすばらしいものです。

つまり、親子遊びでは、運動の楽しさを、親子で触れ合うという楽しい気持ちと結びつけて体験することができるわけです。
これによって運動は楽しいという認識が強化されます。