●小・中学校のテストはすべて教科書を元に作ってある


教科書を徹底的に活用して、これをマスターすれば、小・中学校のテストは全て解ける。なぜなら、小・中学校のテストは全て教科書を元に作ってあるからだ。

つまり、教科書はテストの答えがあらかじめ書いてある虎の巻なのだ。そんな教科書を徹底的に、しかも楽しく遊びながらマスターできる方法を紹介しよう。


●教科書の目次をコピーして貼っておく


まず、学年の始まりに親がパラパラと教科書に目を通し、1年間で何を習うのか頭に入れておこう。

国語、算数、理科、社会の4教科は、目次をコピーして冷蔵庫の扉など目のつくところに貼っておくといい。年間の学習スケジュールをわかっていると、事前に生活や遊びの中でその内容に親しむことができる。

たとえば理科の植物の単元の前に、散歩しながら草花の名前を教えたり花のみつを吸わせたりすることができる。たったこれだけのことでも、植物の勉強に対する学習意欲が高まり、興味を持って授業にのぞめるのだ。

具体的な方法としては、楽しく音読、なぞり書き、視写、教科書クイズ、文章ジグソーパズル、教科書拡大ポスター、などの方法がある。どれもちょっとしたくふうでできることだ。


●楽しく音読して内容を把握する


音読が苦手という子もいるだろう。そういう場合は、親と子どもで一文ずつ、替わりばんこに読むのもおすすめだ。

親が一文を読んだらその同じ文を子どもが追いかけて読む「追い読み」だと、音読が苦手な子もやりやすくなる。

あるいは、親が一文を読んだら次の一文を子どもが読むという「交代読み」も楽しい。

教科書の音読で特におすすめなのは、実は理科や社会だ。特に社会は暗記科目だから、何十回、何百回でも読むといい。教科書を口に出して読むと、理解が深まり、頭に残りやすくなる。

国語、理科、社会は文章を全部読み、算数はポイントを解説しているところを読んでみよう。

関連記事はこちら
マンネリになりがちな音読の宿題を楽しく効果的にするには?

●なぞり書き


音読をしたら「なぞり書き」にも挑戦しよう。まず、教科書を、子どもが字をなぞれるくらいの大きさにまで拡大コピーする。それを濃いめの鉛筆でなぞらせる。なぞり書きをすると、音読のときに見落としていたキーワードに気づくことも多いのだ。

拡大コピーの上にトレーシングペーパーをかけて、それをなぞるのも楽しい。モチベーションがぐんと上がり、夢中になる子も多い。書きためたトレーシングペーパーは、とっておくと「これだけ勉強をしたんだ」という自信にもつながる。

トレーシングペーパーの上からなぞると、自分の書いた字がきれいに並ぶ。そんなことも
子どもにとっては楽しいのだ。


●視写


さらに効果的なのは、教科書を見ながらノートなどに書き写す「視写」だ。「今日はこのブロック」など、毎日少しずつやるといい。

特に、テスト勉強にオススメだ。
テストの前に教科書の大事な部分を視写すれば、確実に点数がアップする。

関連記事はこちら
単純明快な勉強法”視写”で学力が上がる

●3択クイズ(教科書クイズ)


最近、テレビ番組でよく見かける教科書クイズ。このノリで、親が問題を作って子どもに解かせよう。

取り組みやすいのが、3択クイズだ。たとえば理科の教科書の月のところを見れば、次のようなクイズが作れる。

次のうち、正しいのを選びなさい。

1,月は東からのぼって西から沈む 
2,月は西からのぼって東に沈む 
3,月は南からのぼって北に沈む


●○×クイズ(教科書クイズ)


○×クイズもおすすめだ。たとえば次のようなクイズが作れる。

次の説明が正しければ○を、まちがえていれば×をつけましょう。

1 満月や半月など、どの形の月も、つねに東から西へと動いている(  )
2 半月から5日くらいたつと、夕方、東の空に満月が見えるようになる(  )
3 月は太陽とちがって、西から出て、南の空の高い所を通り東へしずむ(  )


慣れてきたら、子どもにクイズを作らせてみよう。「お父さんをテストしちゃおうよ。この教科書から問題を作ってよ」などと声をかけてみよう。

問題を作るとなると、子どもは一生懸命に教科書を読む。ゲーム感覚で楽しんでいるうちに、どんどん力がつく。


●穴うめ問題(教科書クイズ)


テスト前や、どのくらい知識が定着したか気になったときに試したいのが「穴うめ問題」だ。

教科書を拡大コピーして、重要なキーワードを修正液で消し、これを再度コピーする。これでオリジナル穴うめ問題のできあがりだ。

音読、なぞり書き、視写などをしていれば、キーワードがすらすら書ける。だから子どもも楽しい。子どもが書けたらその場で花丸をつけ、大きく「100点」と書いてあげよう。自信がついて、音読などもやる気が出るだろう。


●文章ジグソーパズル(教科書クイズ)


「文章ジグソー」もおすすめだ。まず教科書の文章をコピーして、それ段落ごとに切り分けてバラバラにする。これを正しい順番に並べかえさせるのだ。これも、音読などをしていれば楽しくできる。

音読などをしていないまったく初見のものにトライさせるのも面白い。これは、非常に頭を使うので文章読解力がつく。


●教科書拡大ポスターをトイレに貼る


社会や理科の教科書には、図版がたくさん出ている。たとえば社会なら黒潮海流の図、理科なら月の満ち欠けの図という具合だ。

このような図版はテストに出る確立も高い。ところが、子どもたちはちゃんと見ないままでいることが多いのが現状だ。

そこで、この図版を2〜3回拡大コピーして、トイレに貼っておく。
教科書だと見ないけど、トイレに貼っておけば、毎日必ず見るようになる。親が「ちゃんと見なさい」などと言う必要もない

さらに、その図版に関わることを意識的に会話にのぼらせれば、知識の定着がはかれる。

初出「小学生の学力を伸ばす」宝島社
今日のアマゾンを見てみる

親野智可等のメルマガ
親野智可等の本
遊びながら楽しく勉強
親野智可等の講演
取材、執筆、お仕事のご依頼
親野智可等のお薦め
親野智可等のHP