今週の相談


優しくない(思いやりや気配りができない)ことが心配です。小2の息子ですが、一人っ子が原因か?など考えています。(みかんこ☆さん)


【親野先生のアドバイス】

みかんこ☆さん、拝読いたしました。

子どもの言動に、思いやりや気配りが感じられないわけですね。
でも、それを、即、優しくないからと考えないほうがいいと思います。
というのも、ただ単にどういうときにどういう言動をすればいいかが、まだよくわかっていないというケースが多いからです。

なかには、小さいときから、人の気持ちやその場の雰囲気を敏感につかんで、それに応じた言動ができる子もいます。
これは一種の能力と言っていいかもしれません。
必ずしも気持ちの優しさとイコールとは限らないのです。
そういう子はとても優しい子に見え、そうでない子は優しさが欠けているように見えます。
でも、あまり言動に思いやりや気配りが出ない子でも気持ちが優しい子はいるのです。 

ですから、今、言動に思いやりや気配りが感じられなくても、優しくないのではと考えないほうがいいと思います。

そのうえで、どの子も優しく育ってほしいという気持ちから、次のようなことを提案させていただきます。
まず、子どもの言動で、ほんのちょっとでも望ましいものがあったら見逃さないことです。
そして、うれしい気持ちを伝えたりほめたりしてやってください。
「○○君は、よく気が付くね」
「よく気が付いたね。すごく助かるよ。ありがとう」
「今手伝ってほしいと思っていたんだよ。よくわかったね。お母さんはそういう気配りがうれしいな」

特に、自分のうれしい気持ちを「私」を主語にしたアイ・メッセージで伝えると、子どももうれしい気持ちになります。
ほんのちょっとのことを見逃さないようにしていることが大事です。
逆に、子どもの気配りのなさはとがめないで見逃すようにしてやることです。

できない場面で指導するよりも、ほんの少しでもできた場面で指導するほうがいいのです。 

なぜなら、前者だとどうしても叱ることが多くなるからです。
叱らないまでも、嫌みな言い方になる可能性は大きいと言えます。
ですから、できない場面に出会ったら、自分の普段のほめ方が足りないせいだと自分に言い聞かせるといいと思います。

そして、このような接し方自体が子どもにとっての手本になるのです。
これは、とても大事なポイントです。
親が、子どもを叱ったり嫌みを言ったりするのは、決して良い手本にはなりません。
特に、優しい子に育てたいというとき、叱ったり嫌みを言ったりという方法でその目的を達成することは絶対にできません。
それは、「人をたたいてはいけないと言っただろ!」と言いながらたたくのと同じです。 

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つづく

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