今週の相談
 
現在年中の男の子ですが、お友達ともめると、すぐに泣いて、いじけてしまいます。いつもはとてもおしゃべりな子なのですが、お友達と意見が違うと、気持ちが先走ってまったく話せなくなり、自分の感情をもてあまして、泣いてしまうようです。

「泣いててもいいから、自分の気持ちをお友達にお話ししてごらん」と言うのですが、無理なようです。どうしたら、うまく自分の気持ちを泣かずに表現できるようになるのでしょうか。ご教示の程よろしくお願いします。(00000138さん)


【親野先生のアドバイス】

00000138さん、拝読いたしました。

友達ともめると、いじけて泣いてばかり……
自分の言いたいことも言えないで、ただ泣いてばかり……

そういう子を見ると、親も教師も平静でいることができません。
こんなことではしょうがない、という気持ちになります。なんで自分の気持ちや考えをちゃんと言葉で表さないんだ、という気持ちになります。 

「自分の言いたいことも言えないで、ただ泣いていてどうする?」
「言いたいことがあるならちゃんと言いなさい!」
「ちゃんと言わないと、相手にもわからないでしょ!」
「そんなことでは社会では通用しないぞ!」

ついついこういう言い方で、泣きじゃくっている子を叱りつけるということになりがちです。
でも、ここで少し視点を変えて、その子の立場から考えてみることも必要だと思います。そして、その子の立場から考えてみると、これが大人の視点からのものに過ぎないことに気が付きます。
大人は、子どもの成長には発達段階というものがある、ということを忘れているのです。 

この場合、泣いてでも何でもとにかく自己表現する段階がまず最初にあって、言葉による自己表現はその次に来るものなのです。
まだ前者の段階にある子に、後者を求めても無理です。つまり、これはその子にしてみればとても無理な要求なのです。本人の立場に立ってみれば、そんなことを言われてもできないものはできないわけです。 

私は、その子が泣きたいときはたっぷり泣かせてやったほうがいいと思います。その子は、今、泣くことで自己表現をしているのですから。
自分のやり方で自己表現できるということ自体が、子どもの発達にとってとても大事です。今、泣くのを押さえると、自己表現自体を押さえることになってしまいます。

人間の成長は、ありとあらゆる面で百人百様で億人億様です。
小さいころから、言葉で理論的にうまく自分の気持ちや考えを表現できる子もいます。年少なのに、泣きながらも相手に自分の言い分を言える子もいます。
でも、なかなかそれができない子もいます。
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つづく

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