子育てや教育方法、学校行事のこと、クラスの様子……。
こうしたわが子に関わる情報を得るために大切なのが、ほかの親の助言や意見です。
そのためにも培っておきたいのが、親同士の良い関係づくりです。
その7つの方法を紹介します。


●親力1
親同士の人間関係を良くすることの大切さを理解する


「親同士の付き合いなんて面倒くさい」「子ども同士が仲良ければ、それで十分」といった理由で、親同士の良い関係づくりを放棄している親は多くいます。仕事を持っているため多忙で、親同士の付き合いが二の次になっているケースもあるでしょう。

こうした親に共通しているのは「親同士が仲良くなる必要性を感じない」という思いです。
面倒くさいという気持ちもあるでしょう。

でも、親同士が仲良くなるとメリットもたくさんあるのです。

まず親にとって役立つ“さまざまな情報”を入手することができます。子育ての方法から学校で今起こっていること、さらには先生に関することまで、雑誌やネットでは得られないリアルな情報を得ることができるのです。

子育てでうまくいかないことについて愚痴をこぼすこともできます。
また、自分の子育て方法を相談し、アドバイスをもらうことで不安やストレスも解消できます。いわゆる孤独な“孤育て”から解放されるのです。

もう一つ“トラブルの予防”にもなります。例えば、子ども同士の揉め事が発生したとき、普段から親同士が交流していれば、それがクッションとなり、お互いが歩み寄って、トラブルになる前に解決できることもあります。

もし面識がなければ、こうした歩み寄りの気持ちを持つことは難しくなります。トラブル発生してからの人間関係づくりはとても難しいのです。

このように親同士の良い人間関係は多くのメリットをもたらします。まずはこの点を理解しましょう。


●親力2
学級懇談会で顔馴染みになる


親同士が顔馴染みになる“きっかけの場”として活用してほしいのが学級参観のあとに行われる学級懇談会です。懇談会は親と先生の交流の場だと思いがちですが、親同士の交流の場でもあります。

先生を中心に親同士が輪になって話すなかで、それぞれの親の価値観を確認し合い共有し、そこから良い人間関係を築いていきましょう。

懇談会は近年出席率が悪化の一途をたどっていますが、親同士の良い人間関係を構築する絶好の機会ととらえ、ぜひ参加してみてください。

そのほかにも、運動会や音楽会、文化祭など、親同士が打ち解けられる機会は多くあります。わが子だけに視線を送るのではなく、そこにいる親にも声をかけ、ちょっとした立ち話から顔馴染みになっていきましょう。


●親力3
わが子の親友の親との人間関係は特に重要視


わが子がいつも仲良くしている友達の親とは、必ず顔馴染みになっておくことが大切です。

わが子に仲の良い友達がいるということは、プラス面ばかりに目がいきがちですが、一方で、一緒にいる機会が多いため、ケンカなどのトラブルも起こりがちです。親同士の仲が良ければ、トラブルが起こっても円滑に対処できるようになります。

わが子との日常の会話でよく登場する友達をリストアップし、学級懇談会が始まる前に、わが子にこっそりと「○○君の親御さんはどの人?」と聞き出し、自分から「いつもお世話になっています」と挨拶をするようにしてください。

このときは「うちの子も○○君のおかげで、毎日学校に行くのが楽しみのようです」といった具合に、相手をほめることも大切です。

ほめられれば、相手の親は嬉しいもの。こうした言葉から、良い人間関係が始まります。


●親力4
ミニ手紙や簡単名刺を相手に渡す


学級懇談会などは時間が限られており、親同士が私的な会話をゆっくりすることは難しい側面もあります。

そこで以前から挨拶しておきたかった、子どもの友達の親などに挨拶とほめ言葉を記した「ミニ手紙」を事前に用意しておき、その場で手渡すのもいいアイデアです。手紙であれば、相手はあとでゆっくり読むことができ、その分、印象度も深まっていきます。

また自分の携帯電話番号やメールアドレスを記した簡単名刺を作り、それを渡すのもいいでしょう。親同士の交流は、学級懇談会の場だけではなく、それ以降の日常生活の中でも深める努力をすれば、より良好な人間関係を築けるものです。

そのため、ぜひとも相手のアドレスなどを知っておきたいところですが、初対面の場で直接「教えてください」と言うのはちょっと失礼。

そこで自分のアドレスを載せておき「よろしければお返事ください」というスタンスで行くのです。こうすれば「教える・教えない」の選択権は相手にあるため失礼にはなりません。


●親力5
グループの中心人物と仲良くする


引っ越して間もないときなど、ほかの親同士はみんな顔馴染みで、自分だけ誰も知り合いがいない状況の場合、まずはグループの中心人物にまずは近づき、顔馴染みになるといいでしょう。

こうした人物は、いつも会話の中心にいるものです。学級懇談会のときに、ちょっと見渡せば「あの人だな」と分かるはずです。

中心人物と仲良くなると、芋づる式にそのグループの各メンバーと仲良くなっていき、そのグループに入ることができるようになります。そうすればほかのグループとも徐々に仲良くなっていけます。

とはいえ、中心人物に近づくことが難しい場合もあるはずです。その場合は担任の先生に「懇談会のとき、私を皆さんに紹介してくれませんか?」と、お願いするといいでしょう。そうすることで一気に存在を知ってもらえ、良い人間関係が構築しやすくなります。


●親力6
PTAなどの役員に自ら立候補する


学級委員、広報委員など、学校の中では親がPTA役員を務める機会が多くあります。

しかし、率先してPTA役員になろうとする親は少ないものです。このとき自ら立候補し役員になることで、多くの顔馴染みを作ることができます。役員同士のつながりができるからです。

しかも、役員同士は、かなり濃密なやりとりを重ねていくため、良好な人間関係が構築されやすい側面もあります。

PTA役員になるのは、たしかに大変な面も多々ありますが、多くの顔馴染みを作るチャンスと捉え、チャレンジしてみるのもいいのではないでしょうか。


●親力7
相手をほめて、共感し良い人間関係を作る


学級懇談会や普段の親同士の交流の場で、より良い人間関係を構築するために、ぜひ心がけてほしいことが3つあります。まず1つ目は親力3でも紹介した「相手(親や子ども)をほめる」行為です。

このとき一つ実践してほしいのは、相手の子どもを通じて、その親をほめる行為です。その子どもは家に帰って必ず「○○君のお母さんが、ママのことキレイって言ってた!」と報告します。それを聞いた親は直接言われるよりも嬉しい気持ちになるものです。

2つ目は「共感して受け答えする」行為です。「そうですね」「大変ですね」「よくわかります」といった具合に共感してあげることで、相手は自分を理解してくれていると感じ、その結果、話は弾んでいきます。

3つ目は「自己開示」です。自分の悩みやプライベートなことをある程度打ち明けることで、お互いの人間関係は深みを増して行くのです。この3つを実践していき、いい人間関係を作っていきましょう。


●ps
ここ最近、学校教育の現場で、親同士の付き合いが希薄になっています。親同士が交流を深めることによるメリットは計り知れません。

初出「AERA with Kids」

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