「うちの子、勉強が苦手だ」「うちの子は、算数はまあまあだけど国語や社会はまったく興味なし」「歴史の勉強は好きだけど算数や理科は超苦手」という場合、どうしたらいいでしょう?


こういうとき、親は子どもに「できる教科はもういいから。それよりも苦手な教科をがんばりなさい」などと言いがちです。
つまり、苦手な教科を克服させて、平均的に底上げさせようと思うのです。



でも、これが意外と難しいのです。
ほとんどの場合、叱ることが増えて徒労に終わることが多いと思います。
徒労に終わるだけならまだいいのですが、叱ることが増えるとマイナスの影響が必ず出てきます。
つまり、子どもが自信をなくし、やる気を失ってしまうのです。



そこで私は、次のような選択もあっていいと思います。
つまり、苦手な教科には目をつぶり、好きな教科をさらに伸ばすという方法です。
なぜなら、得意分野を伸ばして自信を持つことで、結局は総合的に伸びて行くことが多いからです。



算数が得意なら、「だれよりも算数が好き」と言えるくらいになるよう、親がバックアップしてあげてください。
教科書や問題集だけでなく算数の歴史、図鑑、雑学、マンガ、クイズなどもやらせてください。



いろいろな角度から算数に触れることで、算数がさらに好きになり、誰にも負けないくらい得意になれます。



自信を持つとエネルギーとやる気が出てきて、その子が輝いてきます。
そして、他の教科もがんばることがあります。



また、必ずしもそうならなくてもいいのです。勉強ではなくても、どこかにいい影響は必ず出ます。

さらに言うなら、特に人と比べて得意でなくてもいいのです。「その子の中では得意」というくらいでも、それがその子の生きる希望になります。



そして、これも大事なことですが、勉強以外のことでも良しとしてください。
例えば、ブロックで作るのが得意です、口笛が上手です、ダンスなら誰にも負けません、などです。



人生では平均して何でもできるのがいいとは限りません。
人生では、自分の得意を生かして、自分の土俵で勝負することが大切なのです。



これは私のイチオシの人生戦略です。
子どものときからその方向で進めば、この人生戦略を身に付けることができます。

初出「親が子どもに教える算数力」宝島社

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