「宿題はやったの?」「今、やろうと思ったのに!」毎日そんなやりとりの繰り返しになっていませんか?

親が何も言わなくても、自ら机に向かって学習する、そんな学習習慣をつけるには、小学生の今がチャンス。その3つのポイントを大公開!


家を〝勉強テーマパーク〟にしてしまおう!
いつでも学べる学習空間作り


家庭学習を習慣化させる秘訣は、子ども勉強好きにすること。
仕掛けとして、家全体を楽しく学べる“学習空間”にしてしまいましょう。
親のちょっとした演出で、進んで勉強する子に変身!

子どもが机に向かって勉強をしていると、「よしよし、ちゃんとやっているな」と親は安心するもの。けれども、「机に向かうことだけが、勉強ではありませんよ」と話すのは、本誌「AERA with Kids」の連載でもおなじみの教育評論家、親野智可等さんです。

「家庭学習を習慣化させる近道は、子どもを勉強好きにすること。そのための仕掛けとして、楽しく学べる“楽勉”空間を作りましょう。好奇心が旺盛な小学生のうちは、家の中にあるさまざまなモノが勉強を好きになるきっかけや学習のヒントになります」


●日常生活の中で楽しく学ぶ


たとえば、リビングでテレビを観ていたら、子どもの知らない地名が出てきて、「○○ってどこにあるの?」と聞かれたことはありませんか? そんなとき、テレビのそばに地図や地球儀を用意しておけば、「どこだろうね? 調べてみようか」と、親子ですぐに調べることができます。

ところが、子ども部屋や学習机まで地図を取りに行かなければとなると、めんどうになってしまい、「ま、いいか」で終わってしまいます。子どもの興味は一瞬です。その一瞬を一生のものにするには、親の演出が大切。

親子の会話が弾むリビングやダイニングには、子どもの興味がいっぱいです。その興味をそのままにせず、一歩踏み込ませてあげると、子どもはさらに深く学びたいと思うようになります。

一方、私たちが普段、何気なく使っている生活用品にも学習のヒントがあります。たとえば、キッチンの料理はかりやお風呂場の体重計などは、量や重さの感覚をつかむのに有効。お父さんとお母さんの体重を量って、「その差は何キロかな?」など問題を出し合えば、楽しく学ぶことができます。

また、子ども部屋やトイレの壁は、見ているだけで自然に学習できる“楽勉ポスター”を貼るのに最適です。

とはいえ、「決められた時間に決められた勉強をする家庭学習も必要」と親野さんは言います。ところが、そうなると、自分から進んで勉強をしない子どもも……。

自主的に勉強しないのは、何をどのくらいの量やればいいのかわからないために、手をつけたがらないのも大きな要因。

「「学校から帰って遊びに出る前に、浅い箱の中に鞄の中身を全て出させると効果的です。そうすれば、宿題でやるべき物も目に入ります。また、見えるところに出ていれば、遊びから帰ってきたとき宿題に取り掛かりやすくなります」。

また、その日の勉強で使う筆記用具、ドリル、プリントなどを箱の中から出して、テーブルの上の一カ所に集めてセットしておくともっといいでしょう。

さらに、勉強を始める前に片付けタイムを設けたり、勉強開始時間に合わせて、子どもの好きな音楽を流したりすると、気持ちが切り替わり、勉強に集中しやすくなります。


●努力や達成を「見える化」する


学習習慣を身につけさせるには、子どもの“やる気”を高めてあげることも大切です。効果的な演出として、子どもが取った賞状やトロフィーを部屋に飾ったり、100点だけを集めたファイルを作ったりしてあげると、「自分はやれるんだ!」と自己肯定感を持つようになり、頑張れる子になります。

また、単調になりがちな家庭学習では、計算などはタイムを計ってゲーム感覚で解いていくと、学習にメリハリがつきます。そのタイムを表にすれば、新記録を更新する楽しみも。こうした学習は、勉強開始のウォーミングアップにも有効です。


●「勉強のテーマパーク」の作り方

子どもに学習習慣を身につけさせるのは、「ムリなく、楽しく」を忘れてはいけません。家の中全体を“勉強のテーマパーク”にして、親子で楽しく学んでみませんか。


1,玄関かリビングに深さ5センチくらいの箱2つ

学校から帰ってきたらすぐに、玄関に用意した箱の中にランドセルの中身(プリントや教科書、ノートなど)をすべて出させる習慣をつける。その後は遊びに行ってもOK。中身を出すことで、提出するプリントや帰宅後にやるべき勉強がわかりやすくなり、子どもも手をつけやすくなる


2,模擬時計(がんばり時計)

画用紙などで手製のアナログ時計を作り、1日のスケジュールのポイント(勉強は午後6時、夕食は7時、就寝は9時など)をわかりやすく表示。時間を意識して行動するようになる。また、低学年の子には時計の針を読む練習にもなる


3,砂時計

勉強開始前の片付けタイムに、「この砂時計が落ちるまでに、勉強を始める準備をしようね」と促したり、簡単な計算問題を解くときにタイマー代わりにしたりして活用


4,地球儀
5,図鑑・地図帳
6,国語辞典

テレビは情報の宝庫。テレビから流れる知らない言葉や国、見たことのない動植物など、子どもの疑問や興味を持ったことを調べられるように、地球儀、図鑑、地図帳、国語辞典などを置いておく


7,学習マンガ

学習マンガを読むことはすばらしい勉強になる。学習への興味・関心の入り口になる。学習漫画は最強の楽勉グッズ


8,パズル・カード

日本地図のジグソーパズルやクロスワードパズルなどは、遊びながら頭を鍛えられる楽勉グッズ。ほかに学習かるたやトランプなどもおすすめ


9,望遠鏡・顕微鏡

望遠鏡で夜空の星や月を実際に見たり、顕微鏡で生物や花をじっくり観察したりすると、身近な自然の神秘に気づき、探求心が育つ。 “本物体験”が学ぶ力を育む


10,楽勉カレンダー

月の満ち欠けを表したカレンダーや、四字熟語やことわざが書かれた日めくりカレンダーは、楽勉アイテムとして最適


11,料理はかり・計量カップ

重さや量の感覚がつかみにくい低学年には、料理はかりや計量カップなど使って、親子で実際に料理しながら量ったり、重さ当てクイズなどをしてみたりするとよい。


12,マグネット式の「やることカード」

「宿題」「お手伝い」など、やるべきことを1枚ずつカードに記入し、冷蔵庫にマグネットで貼る。これでやるべきことが明確になる。やり終えてカードを裏返すと、はなまるマークになるなどすれば、子どもは達成感が味わえる


13,スケジュール表(時間割)

家庭学習は、決めた時間に決められた量をやることが大事。ホワイトボードなどにスケジュール表(時間割)を作れば、時間の流れを意識して生活できる
 

14,音楽プレーヤー

授業の始まりを知らせるチャイムのように、勉強開始の時刻に合わせて子どもが選んだ音楽が流れるようにセット。その音楽が終わるまでに勉強を始めよう。勉強中は音楽はとめる


15,トロフィー
16,100点写真、100点ファイル

水泳大会などで獲得したトロフィーや、子どもが100点の答案と一緒に写っている写真、100点を集めたファイルなどを、見えるように置いておくと自信がつく


17,タイマー、ストップウォッチ

計算ドリルをするときに活用し、早く解く練習をする。また、単調になりがちな家庭学習にメリハリをつけるために、新記録の更新をさせる。すると、子どものモチベーションが上がる


18,アナログ時計

アナログ時計は、数字が表記されるデジタル時計よりも、時間の感覚がつかみやすい。また、生活の中で目盛りを読む練習ができるので、算数の数直線の学習にも役立つ


19,楽勉ポスター

数字表や九九表、地図、年表、動植物のポスターなどは、貼っておくだけで自然に覚える楽勉グッズ。ただし、定期的に貼り替えないと慣れて見なくなってしまうので注意


20,トイレに日本地図・世界地図

地名だけではなく、特産物や名所のイラストなどが描かれている地図がオススメ。自然と目に入る位置に張ろう


21,温度計・湿度計・気圧計

リビングなどに温度計・湿度計・気圧計などを置く。「今、湿度が80%で、気圧も下がってきてるから、今日は雨が降るかもしれないね」と自然現象を数字でとらえながら理解することができるようになる


22,お風呂にペットボトル

200ミリリットルとか1.5リットルなどの表記のあるペットボトルや牛乳パックを、風呂場に置く。すると、それで遊びながら子どもは水のかさの単位を体で覚える


23,お風呂でお勉強ポスター

ひらがな、カタカナ、アルファベット、九九などの一覧表や日本地図など、市販の浴室専用の楽勉グッズを利用する。親子で楽しくコミュニケーションしながら知的に鍛えることができる


24,体重計

家族で体重を量り、「家族全員の体重を足すと?」「お父さんとお兄ちゃんは何キロ違う?」「猫を抱っこして量って、猫の重さを求めるには?」など、問題を出し合うと子どもは喜ぶ。

初出「AERA with Kids」
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