●友達関係のベースは親子のコミュニケーション
編集部
前々回、「友達関係は言葉で決まる」ということをお聞きしたのですが……子どもの友達関係について悩んでいる保護者が多いようで、教育相談室にもたくさんの投稿をいただいています。
親野先生
まずは、親子のコミュニケーションが取れているかどうかですね。自己肯定感と他者への信頼感は親子のコミュニケーションが基本になるので。「親は信頼できる」「友達は信頼できる」と思えるかどうか。この2つは親子関係で決まるんですね。
実は、これも言葉がベースにあるんですよ。親が子どもに対して否定語を多く使うと、このコミュニケーションのベースができない。親に対する不信感が出てしまうんですね。「ぼくはあまり好かれていないのかな、愛されていないのかな」とか。
親に不信感を持ってしまうとその後の人間関係が同じ方向性になってしまうんですね。他者に対する信頼感が持てずに、ちょっといやなことを言われると、過剰反応してしまう。自分で自分を守らなくてはという意識が強く出てそれが過剰反応になってしまうんです。ちょっとした言葉でむかついて相手をたたいたり。
親が肯定語・単純語で子どもに接していれば、親への信頼感が持てる。それをベースにして友達とも信頼関係をつくることができるんです。ちょっと変なこと言われたとしても過剰反応しないで、許せるようになりますね。
編集部
自己肯定感と他者への信頼感、どちらも親子のコミュニケーションがベースにあるのですね。もし、既にお子さんの友達関係に不安を持っている保護者がいらっしゃるとしたら、どうすればよいでしょうか?
親野先生
園での友達関係に不安を感じている親御さんの場合は、ロールプレーで練習するといいですよ。親子で役割を決めて、「いっしょに遊ぼ」「遊びに入れて」と実際に口に出してみる。
「今はダメ。今度ね」と断られて、「じゃあ今度入れてね」という言葉が出るかどうか、ロールプレーしているかどうかで大きく違います。嫌なときにも「嫌だから止めて」と言えるようになる。
語学学習みたいですけど、実際に口を動かしてみて言いやすくしてあげると違うんです。「こういうふうに言うんだよ」「うん」と、指示を出して返事をさせるだけではダメで、実際に言ってみたかどうかがポイントなんですね。
編集部
友達関係が良好だと学校生活も楽しくなりますよね! 次も、保護者のかたからよくいただく相談なのですが……。ひらがなの練習などは必要でしょうか?
●知的なことへの興味・関心を育んで!
親野先生
入学前に知的なものに対する興味関心を高めることは大切ですね。生活や遊びの中に知的なものを取り入れる。「楽勉」と言っていますが、遊びとして知的なものへの興味関心を育む。
TVでライオンが出ていたら図鑑を見るとか、何かで「秋田県は○○どころです」と見たり聞いたりしたら、地図帳や図鑑で調べたり、絵本を見たりするとかですね。
入学までに「ひらがな」を覚えさせないと……と急に思い立って焦る親御さんもいます。そして、いきなりワーク類で「これが『あ』だよ。さあ書きなさい」などと教え込もうとしたりします。
でも、これでは無理です。子どもは、勉強って難しくておもしろくないと感じてしまいます。まずは、ひらがなカルタやひらがなパズルなどの遊びや絵本などを通して自然にひらがなを読めるようにしてあげてください。そうすれば、自然に書きたくなります。
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