いじめによる自殺が後を絶たない。自殺までに至らなくても、今現在も一人で苦しみ抜いている子どもがどれだけいることか…。
そう考えただけでも暗い気持ちにならざるを得ない。

そのような状況下で緊急出版されたのが佳川奈未著『『いじめ』は2学期からひどくなる!』だ。

「いじめ」は2学期からひどくなる! (一般書)

著者は中学二年生のわが子が強烈ないじめにあっていることを見抜き、この子を守り抜くと決意して慎重かつ積極的な行動に出た。

例えば、これ以上いじめられないように学校を休ませる、子どもとのコミュニケーションを深めいじめの実体を把握する、学校に対応を依頼する、被害届を出して警察に依頼する、などだ。

本書には経験した人でなければ書けないリアルな肉声が溢れている。
そして、いじめられている子どもの出す無言のサインの見抜き方、解決に向けた作戦の立て方、学校が真剣になってくれないときの対応法など、大変参考になる部分が多い。

さて、現代のいじめにはいろいろなパターンがあるが、その底には共通する部分もある。
それを的確に分析しているのが山脇由貴子著『震える学校』だ。

震える学校 不信地獄の「いじめ社会」を打ち破るために (一般書)


著者によると、現代は匿名性の高いネットの普及でいじめが劇場化し、子どもたちは自分がいじめの被害者にならずに生き抜きぬくために、常にいじめの加害者に回ろうとする。

だが、それに協力して立ち向かうべき教師たちは、管理主義によってお互いが信頼できない状態にされており、悩みの相談すらできない。

クラスのいじめについて相談すれば評価が下がる。
そう思えば一人で抱え込むようになり、最悪の結果を招く。

また、過度の多忙化によって追いまくられ、思いはあっても身動きが取れない。

本書の第3部には、現代のいじめ問題解決への処方箋が書かれている。
具体的で実効性のあるものが多いので広く読まれて欲しい。

初出『週刊ダイヤモンド』

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