連載の最後に私が一番お伝えしたいことを書きたいと思います。
それは、子どもが毎日安らかな気持ちで過ごせるようにしてあげてほしいということです。

これが子育てで最も大切なことであり、私の講演でも常に強調していることです。

親は子どもに対していろいろな願いを持っています。
勉強ができるようになってほしい、積極的になってほしい、マイペースな性格を直させたい、片づけができるようにさせたい、等々…。

でも、親の願いが強いと子どもはとても大変です。
なぜなら、どの子にも持って生まれたものがありますし、何事もそんなに簡単にできるようにはならないからです。

もちろん子どもができるように、親が手助けをしてあげることは大切です。
でも、だからといって親が望む結果が必ず出るとは限りません。

私は親が目をつむってあげることが大切だと思います。
目をつむれない親は結局は子どもを傷つけることになります。
目をつむれる親なら、子どもは毎日安らかな気持ちで生活できます。

実は、子ども時代の一日一日を安らかな精神状態で過ごせるということは、何よりも大切なことなのです。
その中で初めて「自分は親に愛されている。自分はこの家にいていいんだ」と感じることができるからです。

反対に、日々の生活に安らぎがなく緊張した状態で過ごすことが多いと、親の愛情に疑問を持ったり自分の存在に自信を持てなくなったりします。
さらには漠然とした不安感を引きずるようになる可能性もあります。

いくら立派な子になっても、これらの大切な部分が台無しになってしまっては元も子もありません。
おたくのお子さんはどう感じているでしょうか?
一度お子さんの立場で考えてみてください。

初出『共同通信』

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