「人に好かれるお子さんに育てたいならば、まず将来の人間間関係の基礎となる親子関係を大事にすること。たっぷり愛を注いでやることです。ただ、親御さんは“子どものため”と一生懸命愛情を注いでいるつもりが、空回りしてむしろ逆効果になってしまい、子どもが親に不信感を抱いてしまうケースは実はとても多いんです」


そう、話すのは、教育評論家の親野智可等先生。
そこで、つい親が“子どものため”とやってしまいがちな、3つの逆効果な言動を教えてくださいました。




1)“ダメ!”という否定語でとがめる

「“○○しなきゃダメでしょ!”などという否定語は、相手をとがめてるんです。こういう言葉を日々浴びせると、子どもは自分に自信が持てなくなります。それはやがて、 “お母さんは私(僕)のこと好きじゃないのかな?という、愛情不足感につながります。言葉は肯定語に言い換えましょう。例えば、“見直ししなきゃダメでしょ!”ではなく、“見直しすると5点増えるよ!”。あとは、シンプルに促す方法。“見直ししようね!”それでいいのです。ぜひ、心がけてみてください」(親野先生 以下同)




2)自業自得方式でわが子を追い込む

「例えば、お子さんの忘れ物が多いときに、どうしますか?“あなたが確認して行かないからでしょ!知らないわよ”と言い放ち、自分で困れば直るだろう、学ぶだろう…と、“自業自得方式”で子どもが変わると信じている親御さんは本当に多いです。しかし、子どもはそれで直ることは絶対にありません。わかっていてもできない…どうしようもない状況なのです。最初から忘れ物をしたい子なんていませんよね? つまり、自業自得方式は、子どもにとってみると、 “お母さんは助けてくれない…”“愛されてない”と思うだけです」


子どもがピンチなときはまず救ってやり、それから改善のための合理的な工夫をしてやることが大事だという。


「忘れ物で困っているときは、まず救ってやるのが人の道。必要な物なら届けてやってください。その後で、忘れ物を減らす合理的な工夫を一緒に模索しましょう。困っている人を放って、“懲りればわかる”というのは、人の道に外れています。“これも自分のためなんだ”と思える大人と違って、子どもはまだ精神的に未熟です。ピンチを救ってもらえない寂しさや辛さだけを受け取り、やがて取り返しのない不信感につながるのです」




3)罰で脅す“罰則型”で子どもの気持ちをコントロールする


「お手伝いしないとご飯抜きよ! 勉強しないとゲーム取り上げよ! こういう脅しで子どもをコントロールする罰則型も、親への不信感を助長し、それが他者不信感につながります。しつけや勉強を優先しすぎて、他者不信感に満ちた子にしてしまっては本末転倒です」


そして、最後に親野先生がこれらの言動を続けることの、一番の弊害について話してくださいました。


「子どもは、親にされたことと同じことを友だちにするようになります。否定的な言葉を浴びせる、困っている友だちに“自分が悪いんだろ!”と言って助けない。“○○しないと遊んであげない!”と脅す…など。こういう子が好かれるはずがありません。どうか、日々のお子さんへの言動には十分注意してください」


せっかくの“わが子のため”…が逆効果にならないように、日々の言動には十分気をつけてお子さんと接してあげてください。

初出 ママテナ

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