●「日々の記録」という固定観念を捨てて、自由に書こう! 

 


夏休み真っ最中で、子どもたちはさぞかし楽しんでいることだろう。

親としては思いっきり遊ばせたいと思う一方で、気になるのが、夏休みの宿題だ。



特に、日記の宿題は子どもたちにあまり評判がよくない。

日記が好きだという子は少なく、中でも男の子はイヤイヤ書く子が多いのではないだろうか。



しかし、日記は文章力を育て、思考力を鍛え、想像力と創造力を身につけるのに大きな効果がある。



イヤイヤ書いているうちはあまり効果がないが、楽しくて書きたくなると子どもの力はぐんぐん伸びる。



そのため、親がどんな工夫をすればいいか、その裏技をお教えしよう。



まずは、日記は昨日・今日あったことを記録するという固定観念を捨てて、ちょっと発想を変え、空想的なものを含めて自由に書くことをお勧めしたい。



どんな工夫があるか、6つほど紹介しよう。





●会話だけで書く「会話日記」、日記が苦手な子でも喜んで書く 


 

家族や友だち、先生、家族、兄弟、塾の先生など誰でもいいから、その人との会話を思い出して、ありのままに書く「会話日記」。



余分な説明を書かなくていいので、日記が苦手な子でも意外と喜んで書く。



例えば、こんな具合だ。


ぼく   「あ~、いやになっちゃう。今日は塾がある。学校の宿題の日記もまだ書いてない」

妹    「お兄ちゃん、塾の宿題もやってないからイヤなんでしょ」

ぼく   「なんで塾で宿題出すんだ~」

妹    「宿題出さないと勉強しないから」

ぼく   「勉強しない人を勉強させるのが塾なんだから、宿題も塾でやればいいのに。

      家で勉強するんじゃ塾に行く意味ないじゃん」

お母さん 「今言ったこと、日記に書けば?」

ぼく   「それは名案!」


会話を「」で書くわけだが、通常の日記と違って、1人の話が終わると改行するので、どんどん次の行に進める快感がある。



考えて文章を練る必要がない。



しかも、内容がいきいきとしたものになりやすい。



毎日、かなりの量が書けるので、ずっと夏休みの間中、会話日記に徹する手もある。



●親がリードする「筆談日記」、自由に想像を広げる「ウソ日記」 


 

会話日記と少し似ているが、鉛筆を使って、親子が会話するように交代で書くのが「筆談日記」だ。


親 : このごろ、おもしろかったのは何ですか?

子 : ともちゃんの家の猫と猫パンチごっこをしておもしろかったです。

親 : 猫パンチごっこって、どうするの?

子 : 私が人さし指で猫をつつくと、猫もパンチしてきます。

親 : どこがおもしろいの?

子 : 私が猫の後ろから背中をつつくと、わざわざ寝返りをしてパンチしてきます。

    興奮してくると両手をぱちんと合わせるようにたたいてきます。


親が質問したり共感たりしながら、交互に日記やノートに書く。



親がリードしながら半分書いてくれるので、子どもの心理的な負担が軽くなる。



親子のコミュニケーションにもなり、慣れてくると、子どもからやりたがる。
日記を書けなくて困っているときに試してほしい。


まるっきりのウソを自由に想像して書くのが「ウソ日記」だ。例えばこんな感じ。


私は、今日、公園でちょっと変わった服を着た子を見つけました。
上も下も青でサーファーのような服でした。
それで、「こんにちは」と挨拶したら、その子も「こんにちは」と言ってくれました。

 

話を聞くと、その子は何と宇宙人でした。
2億光年も遠くの「ワッフル星」からUFOで来たそうです。
でも、いつの間にか家族とはぐれて迷子になってしまったそうです。



それで、お腹が空いたというのでお菓子をあげたら、お菓子でなく包みの紙を食べ始めました。
ワッフル星人は紙が主な食べ物だそうで、「この紙はおいしい」と言っていました。



もっと食べたいというので、持っていた折り紙をあげました。
そうしたら、「これはすごくおいしい。色が濃い紙ほどおいしいんだよ。白い紙はおいしくないから嫌い」と言いました。



なので、「折り紙がなくなったら、次は公園のトイレの紙かな……」と思っていたけどやめました。



慣れてくると、いろいろな想像が膨らんで、何ページも書く子が出てくる。
子どもの想像力は侮れない。



私が教師時代に3年生の子どもに書かせたら、どの子の作品も面白く、中には童話にしたいくらいすばらしい作品があった。



●自分を客観視する「物語日記」、選んだ主題で描く「テーマ日記」 


 

自分を「ぼく」や「私」ではなく、物語の登場人物のように客観視して、第三者表現で書くのが「物語日記」だ。



朝からの雨のせいか、健太郎はなんとなく体のだるさを感じていた。
いつもは8時半に始める夏休みの宿題も手につかず、寝ころびながらぼんやり庭をながめていた。


 

それでも、気持ちを奮い立たせて「さあ、やるか!」と起き上がった瞬間、母親の美智子の「なにぼんやりしてるの? さっさと勉強始めなさい」という声が聞こえてきた。



健太郎は、「今やろうと思ったのに」と言い返そうと思ったが、それもだるいのでやめておいた。



物語日記は描写力を鍛えるのに効果的だ。
普通の日記では書かないような表現が出てくる。
特に、高学年にはお勧めだ。



事前に決めておいたいくつかの主題から選んで書くのが「テーマ日記」だ。



テーマは親が出してやってもいいし、子どもといっしょに考えてもいい。
例えば、こんな内容だ。



「ぼくの好きな食べ物」「私の友達の紹介」「宿題を早く終わらせる方法」「好きなことわざ」「10年後の私」「幼稚園のときの思い出」「とっても恥ずかしかったこと」「お願いしたいこと」「ぼくの夢」「もし10億円あったら」「私の宝物」「願いが3つかなうとしたら?」



100個ほどテーマを書き出した一覧表を壁などに貼っておくと、子どもはその中から自由に選んで書くことができる。



●子の日記に親が返事、コミュニケーションを深める「親子日記」 


 

子どもが書いた日記を毎日、親が読んで、返事を書くのが「親子日記」だ。



親子の文通のようなもので、返事だけでなく、親がその日にあったこと、伝えたいことを書いてもいい。



親子日記には親子のコミュニケーションを深める効果もある。



気をつけてほしいのは、返事を書くときにお説教や小言を書かないことだ。
それより、共感的な返事を書くように心がけてほしい。



このように、日記にはいろいろな書き方がある。
あまり、固定的に考えず、子どもたちにいろいろなやり方を教えてやろう。



2010年6月末に宝島社から『親野智可等の学力が伸びる「作文力」教室』という本を出したが、日記、自由研究、読書感想文、小論文などの書き方も掲載している。



どのように書いたらいいかを示すために、ひな形のフォーマット集もついているので、日記や感想文が苦手な子もとっつきやすい。



よかったら、参考にしてほしい。

初出「親力養成講座」日経BP 2010年 8月5日

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