夏休みも残り10日ほどになってしまった。
できれば、2学期が始まる1週間前、最低でも3日前から親が心がけてほしいことがある。
まず、子どもの生活リズムを整えること。
遅寝、寝坊の癖がついていたら、徐々に早寝早起きのリズムに持っていこう。
子どもにとって、学期始めという節目は大人以上に意味がある。
子どもなりに、2学期はがんばろうと思っているものだ。
その節目の気持ちや高揚感を大切にしてあげよう。
親御さんにやってもらいたいのは、1学期や夏休みを振り返って、プラス思考で褒めること。
算数の点数がよくなった、水泳で25メートル泳げるようになった、年下の子を面倒見られるようになった、などなんでもいい。
できるようになったことを褒めてあげながら、これからの夢を子どもたちに語らせよう。
児童会の選挙に立候補するとか、縄跳び大会で優勝するとか、音楽発表会で入賞するなど夢を語りながら2学期の目標を立てる。
その際、「1学期は○○がだめだったから、がんばろう」という言い方をせず、褒める中から、自発的に子どもが「○○をがんばろう」と言うように仕向ける。
また、素直に親の願いを伝えるのもいい。
●100マス計算やプリントがお薦め
勉強面では夏休みの締めに当たって、心がけてほしいことは「つまずき個所の把握」である。
夏の練習帳をよく見ると、ピンポイントで子どもの苦手な個所が分かる。
例えば、算数で繰り上がりや繰り下がり計算を間違えやすいとか、分数をよく理解していないなど、ピンポイントで苦手を把握して、2学期に入る前に集中的に練習しておく方がいいだろう。
つまずいたまま2学期になると、ますます分からなくなり、その科目全体が嫌いになる怖れもある。
2学期から始めるのなら、お薦めが「100マス計算」や「バラバラ九九」などの80問プリントだ。
毎回、タイムを計ってやり、挑戦する意欲をかき立てるとやる気が出てくる。目標値がはっきりしていて、成果がすぐ分かるので、子どもたちも取り組みやすい。
新記録を達成したら、花丸をつけて褒めてやる。
子どもは新記録が大好きだ。
やればやるほど早くなるので、成長を実感できるし、自信を持てる。
「勉強って面白い」という気分になれる。
プリント1枚なら1~2分で終わるので、毎日、宿題の最初にやるといい。
こうした計算問題は脳の血流をよくし、活性化するという効果も証明されているので、勉強モードに入るときには最適だ。
プリントで頭をほぐして、その後に難しい作文や文章問題、日記などをやるほうが効率的だ。
●友だち関係の問題が表面化する時期
2学期で気をつけてほしいのはクラス内の人間関係だ。
友だち同士もあるし、子どもと先生の問題もある。
1学期までは様子見で、人間関係の問題も水面下に隠れているが、慣れてきてお互いに遠慮がなくなり、トラブルが表面化する可能性がある。
友だち同士だと、いじめやケンカが起きたりする。
先生との相性の悪さを訴える子どもも出てくる。
「僕は先生によく思われていない」とか「いつも怒られてばかりいる」と思う子が何人かは必ずいる。
特に友だちからのいじめは、加害者も被害者も決して自分から親に言うことはないので、子どもの表情や言葉の変化を注意深く見たり、友だちの親から情報を得たりするようにしよう。
我が子のいじめ問題は友だちの親からの情報で発覚することも多い。
問題があると思ったら、できるだけ早く担任に伝えることだ。
芽が小さいうちだと担任も対応しやすい。
早めの相談を心がけることだ。
ちなみに、このことは塾についても言えるので、塾の人間関係にも注意しよう。
2学期はクラス内の転出、転入もある。
新しい子が一人でも入ってくると、クラス内の人間関係が流動的になり、雰囲気が変わることがある。
仲のよかった子が転出して、遊び友だちがいなくなり、新しい友だちができないというケースもある。担任もその当たりは気を遣っていると思うが、親としても注意してほしい。
さらに、2学期は修学旅行や学芸会、音楽会など子どもが楽しみにしている行事も多いので、いつも子どもの体調に気をつけることが大切だ。
特に、2学期の最初は残暑も厳しく子どもが疲れやすいので、家で十分休めるようにしてやってほしい。
初出「親力養成講座」日経BP 2008年8月22日
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