●たった一人の子が転出するだけでも変化がある
夏休み明けに気をつけて欲しいのは子どもたちの友達関係です。
夏休みの間の体験や自然成長によって、一人一人の子どもがけっこう変化しています。
ですから、それによって友達関係が変わるということが実際にあるのです。
さらにもう一つ大きな要因として転入・転出があります。
この転入・転出に伴う友達関係の変化には、先生も親も気を配る必要があります。
例えば、あるクラスからAさんという一人の子が転出したとします。
すると、それだけでクラス全体の友達関係が影響を受けます。
それまでAさん、Bさん、Cさんがよく一緒に遊ぶ仲だったとしても、残されたBさんとCさんが今までのように一緒に遊ぶとは限りません。
AさんがBさんとCさんの接着剤のような働きをしていた場合、BさんとCさんは離れるかも知れません。
そして、BさんとCさんがそれぞれ別のグループに吸収されるかも知れません。
あるいは、Bさんは別のグループに吸収されてCさんだけ一人孤立し遊ぶ相手がいなくなるかも知れません。
また、Bさんが入ったことでそのグループからDさんがはみ出るかも知れません。
●転入生がいた場合、大きな変化が起こる
ここまで、転出生がいた場合を見てみましたが、転入生がいた場合も同じように友達関係の変化が起こります。
例えば、あるクラスにEさんという一人の子が転入してきたとします。
子どもたちは転入生が大好きですから、しばらくみんなにちやほやされ大切にされます。
そして、最初は転入生がどういう子かわかりませんので、とにかく席が近い子や家が近い子と仲良く遊ぶようになります。
また、積極的でお世話好きな子たちとも仲良くなります。
その後、しばらくすると転入生がどういう子かわかってきますし、転入生にもどの子がどういう子かわかってきます。
すると、やはりお互い馬が合う子とよく遊ぶようになります。
例えば、転入生のEさんが、Fさん、Gさん、Hさんたちのグループとよく遊ぶようになったとします。
でも、人数が増えたことでHさんだけちょっとはみ出るようになるかも知れません。
あるいは、Eさんに引かれてIさんも入ってくるかも知れません。
また、それによって、Iさんとあまり馬が合わないGさんがほかに移るかも知れません。
もちろん、1,2年生のような低学年では高学年ほどグループの枠が固定してはいません。
また、クラスによってもかなり雰囲気は違います。
それでも、ちょっとしたグループはありますので、こういうことが起こり得るのです。
これらはほんの一例です。
たった一人の子が転出することで、あるいはたった一人の子が転入してくることで、子どもたちの関係には複雑な化学変化が起こり得るのです。
それがどのように変化するのかは誰にもわかりません。
つまり、予測不可能なものなのです。
遊び相手がいない子が出ることもありますし、場合によっては、それまではなかったいじめに類することが起こることもあり得ます。
つづく
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