前回は、教育評論家の親野智可等先生に、読書感想文の本選びのポイントを教えていただきました。

 

「さぁ、本を読み終えたら感想文を書きましょう」と、いきたいところですが……、小学1年生にとって、まっ白な原稿用前に、いきなり感想をまとめるのは大変なものです。

生き生きとした感想文にするには、親はどうサポートすればいいのでしょうか?

親野先生、教えてください!

●本について、親子で楽しくトーク!
 

親野 「原稿用紙に書き出す前に、本について親子で楽しくおしゃべりをしましょう。
お母さんやお父さんに、本の感想を“言葉に出して伝える”作業をしておくと、書きたいことが整理できます。

 

そのとき、忘れないようにお子さんが言ったことをメモしてください。
このメモを構想メモといいますが、作文を書くときのネタになるんですよ。
 小学1年のお子さんでは、自分でメモするのは難しいので、親がメモしてあげてください。
 

主に聞くといいのは4つです。
 

■Q1 「どんなことが、○○(子どもの名前)の心に残ったかな?」
 

■Q2 「自分ならどうする?」「自分にも似たようなことがあったかな?」
 

■Q3 「いま、どんなことを考えている?」
 

■Q4 「出てきた登場人物や作者に、何か言ってあげたいことはあるかな?」
 

Q1で、心に残った場面や登場人物の言葉を確認することができます。

これによって書きたい内容が絞れますので、全体のあらすじを追うだけの感想文から抜け出すことができます。
 

Q2で、登場人物に起こったことを自分に置きかえて考えてみることができます。

これによって、『自分だったらどうするか』と考えたり、自分の経験を振り返ったりしながら書くことができます。

 

Q3とQ4で、自分の感想をさらに深めていきます。

ただし、これらの質問は子どもに問い詰めるような感じで聞くのではなく、楽しくおしゃべりする中で自然に話題にするようにしてください。

また、お母さんやお父さんの感想も伝えて、おしゃべりを盛り上げるといいですね。

 

お子さんの感想に対して、『よく気づいたね』とほめてたり、『お母さんもそう思ったよ』と共感してあげたりしましょう。

すると、子どもは“わかってもらえた”と感じて、『気持ちを人に伝えることって楽しいな』と思えるようになります」
 

 

●「構想メモ」の順番で書いてみよう!

 

親野 「構想メモができ上がったら、原稿用紙に書いていきます。

 

Q1から4の順に書いていけば、『心に残ったところ』→『自分の体験や考え』→『感想のまとめ』というように、自然と文章がまとまります。
ただし、構想メモの内容を全て書かなくてもOKです。

 

逆に、新たに書きたいことが出てくればそれを書いてもOKです。
 

子どもの感想文を読んだとき大切なのは、ほめることと共感することの2つです。
 『よく考えているね』『様子が目に浮かんでくるね』『気持ちが伝わってくるよ』とほめてあげてください。

 

なかなかほめられない人は、部分に注目してみてください。
 全体を漠然と見ていると、なかなかほめられないものです。
 『ほめられる部分はないか?』という意識で、見つけ出してあげてください。
 

同時に、『ママもそう思ったよ』『本当にそうだね』と子どもの気持ちに共感してあげましょう。
これも子どもにとってうれしいことです。

つづく
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