子どもが勉強に集中できないとき、その理由にはいろいろありますが、意外に見落としがちなのが机と椅子のことです。

例えば、リビングやダイニングで勉強する場合、テーブルや食卓が机の代わりになりますが、それらが勉強に適した高さになっていないことがあります。
あるいは、これらはよくても椅子が勉強に適した高さになっていないこともあります。

身体に合わない高さの物だと、文字の読み書きがしにくくなり、姿勢が悪くなったり疲れやすくなったりします。

特に大事なのは椅子です。
椅子が高すぎて座ったとき足がブラブラしている状態だと、身体全体が安定しません。
当然、勉強に集中できません。

クッションが柔らか過ぎる椅子も身体が安定しませんし、固すぎる椅子だとお尻が痛くなります。

今は人間工学を活用した身体に優しい椅子の研究が進んでいて、長時間の勉強や作業でも疲れない椅子が市販されています。

身長に合わせて高さが変えられる椅子、疲れにくい背もたれの椅子、足置きステップがある椅子、座ると自然に背筋が伸びて姿勢がよくなる椅子、などです。

業員の椅子を変えただけで業績がアップした会社もあるそうですから、子どもの椅子を変えることで成績が上がるということも大いにあり得ることだと思います。

親御さんたちの中にも、椅子の大切さに気づいて、机やテーブルでなく椅子だけ買い替えるという人がいます。

私は仕事柄、塾や習い事の教室を見学する機会が時々ありますが、机や椅子への配慮がまったくない教室もけっこうあります。

みなさんの教室はいかがでしょうか?
子どもたちの勉強中の姿勢を見ながら机と椅子について再考してみてください。

初出『Smile』(学研エデュケーショナル)

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