このように読解力は子どものときの教科の学習だけでなく、大人になってからの仕事や生活にも大きな影響があるわけです。
でも、それだけではなく、もっと本質的なところで読解力は人間にとって極めて大切な能力です。

どういうことかというと、読解力は思考力と密接に関係しているということです。
なぜなら、情報を正しく読み取ることで初めて的確に考えることが可能になるからです。正しく読み取れないなら、そこから自分の思考を発展させることもできません。

どんな種類の思考においても、思考の過程で大切なのは、正しく情報を読み取りその上で他の情報や自分の経験と価値観などのさまざまな材料と比較検討しつつ考えを深めていくということです。

その過程には、読み取った情報の要点をまとめたり自分なりに言い換えたり図式化したりすることも含まれます。
そして、絶えず情報と自分の思考との間をフィードバックしながら行ったり来たりしながら進めていきます。

つまり、思考の過程は読解を深める過程そのものなのです。
ですから、読解力が高ければ思考も深まり、読解力が不足していれば思考も浅くなるわけです。

特に、論理的な文章の読解力についてはこのことが当てはまり、「論理的な文章の読解力=論理的な思考力」と言っていいと思います。

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