現代は社会や市場が成熟し、物も情報もサービスも過剰なほどになってきています。
ですから、ありきたりのものは振り向いてももらえません。

それは、産業やビジネスだけでなく学問や芸術においても言えることです。
グローバル化の進展と共にこの傾向は顕著になるはずです。

グローバル時代の今、子どもに本当に必要な12の力

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(本連載を1冊にまとめました)


そこで、大事になるのが他との差別化であり、それを生み出すのが独創力です。
それは人がやらないことをやる力であり、今までにない新しいものを作り出す力です。

日本人の独創力については意見が二分されていて、日本人には独創力がないという人もいればあるという人もいます。

その答はどちらでもいいとして、これからを生きる今の子どもたちにさらなる独創力をつける教育が必要であることは間違いありません。

では、どのようにすれば独創力をつけることができるのでしょうか?
一言で言えば、拡散的思考の機会を増やすことが大切です。

拡散的思考とはいろいろな発想やアイデアを考えつく思考のことで、独自性が高く評価されます。
これは、与えられた問題についてただ1つの正解を考える収束的思考と対をなすものです。

具体的にいうと、次のように子どもが楽しみながらいろいろな発想やアイデアを出せる課題を増やすことです。
そして、子どもの発想やアイデアは全てほめてあげることです。

以前からいわれているように、絵、粘土、工作、作文、身体表現、自由研究などは大いに効果的です。

また、自分の生活上の課題を解決するアイデアを親子で考えるのもいいでしょう。
例えば、朝起きるのが楽になる工夫を3つ、忘れ物を減らす工夫を3つ、テレビを見過ぎない工夫を3つなどアイデアを出し合って実行します。

また、飼っている虫で遊ぶ方法を考える、自分たち地域の問題を解決するアイデアを出し合う、廃材の効果的利用を考える、物語の続きを書く、理科の実験方法を考えるなども効果的です。

実は、これらのことは日本の学校では以前からかなり取り組まれてきました。
でも、昨今の「学力」向上への圧力からこういう授業ができにくくなっています。
世間では、テストで点を取る能力のみが学力だと考える人たちが圧倒的な多数派です。

特に受験勉強のみを優先する人たちの中には、学校の授業をあからさまに批判して塾などの教え込み型授業のみを高く評価する人たちもいます。

物語の続きなんて書いている暇があったら、テストの答え方を徹底的に教え込んでいい点が取れるようにして欲しいというわけです。

もちろんこのような収束的思考も大切です。
でも、現状ではこちらに傾きすぎていて拡散的思考の教育が軽視されすぎています。
入学・入社試験をゴールと考えるならそれでいいかも知れませんが、それ以降の活躍は難しいでしょう。

せめてこれをお読みのみなさんの家庭では、拡散的思考の機会を増やし子どもに独創力をつけてあげて欲しいと思います。

それと同時に、大人である私たち自身の価値観を変えていく必要もあります。
人と同じであることのみを重視するのでなく、人と違うことに大きな価値を見い出せるようにしていくことが大切です。

そして、子どもをほめるときも「いいアイデアだね」「誰も考えないことを思いついてすごいね」「ほかと違うユニークな物ができたね」「個性的ですばらしい発想だね」などのほめ方を増やしていくことが大切です。

初出:目指せ! グローバルキッズ! 子どもにつけてあげたい12の翼
『子ども英語ジャーナル』(アルク)2011年6月号

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