前回の最後に、ホワイトボードにやるべき項目を書いて「見える化」するという方法を紹介しました。

ホワイトボードがない場合は、カードに書いて磁石で冷蔵庫に貼るといいでしょう。
そして、それができたらカードを裏返します。。
裏側に花丸やにっこりマークを書いておけば子どもの励みになります。

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やるべきことについて、時間を意識してやらさせたいときは模擬時計も効果的です。
模擬時計とは、画用紙でアナログ時計と同じものをつくり、時刻を表す針を書き込んだものです。

登校前の身支度を7時15分に終わらせたいなら、針が7時15分を指した模擬時計をつくって貼ります。
本物のアナログ時計の横に貼ればかなり効果的です。
模擬時計と本物の時計の針の位置を比べられるので、残り時間がどれくらいかリアルにわかるからです。

本物が7時10分を指していれば「後5分だ」とわかります。
そして、その「後5分」のわかり方も、ただの数字としてでなく具体的な量として目に見える形でわかります。

大人ほど時間の観念が発達していない子どもにとって、時間が具体的な量としてわかるということはとても大切なことです。
この模擬時計を活用すれば、「早くしなさい」という言葉を減らせると思います。

宿題開始時刻、片づけタイム開始時刻、寝る時刻など、必要に応じて模擬時計を活用してください。
もとを1枚つくってコピーすれば、後は針を描き込むだけです。

次にレベル制という方法を紹介します。
例えば、毎朝「顔を洗う。食器を運ぶ。歯をみがく。うんち。服をたたむ」の5つをやれるようにしたいときは、次のような5つのレベルをホワイトボードに書いておきます。

◎年長の子で、今すでに1つできている場合
↓↓↓↓
5つ全部自分でできる「4年生レベル」
4つ自分でできる「3年生レベル」
3つ自分でできる「2年生レベル」
2つ自分でできる「1年生レベル」
1つ自分でできる「年長レベル」

◎年長の子で、今すでに2つできている場合
↓↓↓↓
5つ全部自分でできる「3年生レベル」
4つ自分でできる「2年生レベル」
3つ自分でできる「1年生レベル」
2つ自分でできる「年長レベル」
1つ自分でできる「年中レベル」

つまり、レベル設定はその子の実情に応じて行います。
「今すでにできているところ」に「本人の今の学年」が来るようにするといいでしょう。

そして、その子のレベルのところに磁石を貼るのです。
その子のプリクラ写真や好きなキャラクターを磁石につけて貼るのもいいでしょう。

あまり厳しいレベル設定にするとたいへんですから、ちょっとがんばれば後1つ上がれるくらいの設定にしてください。

または、「年長、1年生、2年生…」でなく「修行中、黒帯、天才、達人、マスター」とか「横浜一、神奈川一、日本一、世界一、宇宙一」などとするのもいいでしょう。
この方が楽しくできるかも知れません。

とにかく、これは明るい雰囲気でゲームを楽しむような気持ちで取り組みましょう。
決して、叱る材料にしたり兄弟を比べる材料にしたりしないでください。

次はがんばり表です。
やるべきことをやったら、子どものがんばり表に花丸をつけるのも効果的です。
「1週間できたら特大のスペシャル花丸をもらえる」というようにすると、子どもは張り切ります。

これも見えるところに貼っておきましょう。

次は、親のがんばり表ともいえる見届け表です。
見届けとは、子どもがちゃんとやっていたらほめ、やっていなかったらやらせてほめることです。
親がちゃんと見届けをしたら、親のがんばり表に丸をつけるのです。

お手伝いにしても生活習慣にしても、子どもが続けられないのは親が忘れて見届けをしなくなるからです。
親が自分で見届け表をつけて、毎日子どもにプラス思考の声かけをしていれば子どもも続けられるのです。

とはいっても、現代の大人は日々やるべきことが山ほどあるので、つい忘れてしまいがちです。
そこで、親は自分自身が見届けを続けられる環境とシステムをつくることが必要になります
その一つとして、見届け表はかなり効果的です。

ここまで、基本的な生活習慣を身につけるためのいろいろな工夫を書いてきました。
まだ他にもいい方法はいくらでもあるはずです。
なぜなら、工夫は無限だからです。
大切なのは、子どもができないからと言ってただ叱ってすますのではなく、わが家のわが子に合った合理的な方法を工夫することです。

そして、子どもを幸せにしてあげてください。

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