まず、最初に、私が一番言いたいことを言っておきたいと思います。
入学準備の心構えとして一番大切なのは、「親が焦らない」ということです。
これを、ぜひ、頭に入れておいてください。


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親の中には、子どもの入学が近づくと焦り出す人がけっこういます。
焦りの中身は、主に次の3つです。

服の着替えが遅い、食べるのが遅い、片づけができない・・・など、生活について。
友達の輪に入れない、人見知りをする、おとなしすぎる、自己主張できない、いばりすぎる・・・など、友達関係について。
言葉の発達が遅い、字が読めない、名前を書けない、数を数えられない・・・など、勉強について。

そして、親は、いろいろなものとわが子を比べることで焦ります。

雑誌や本のマニュアル的な情報と比べて焦ります。
「入学までにこれだけは!」などという記事を見ると、かなり不安になります。

小学校の入学説明会で言われたことと比べて焦ります。
先生の話やママ友達の話を聞いてますます焦ります。

同じ年のほかの子と比べて焦ります。
身近にしっかりした子がいると、親はとても不安になるものです。

焦った親は、遅れを一気に取りもどそうとします。

「自分でどんどん着替えられないと、1年生になれないよ!」「片づけできないと、先生に叱られるよ!」「言いたいことをはっきり言わないと、友達と遊べないよ」などと、叱ることが増えます。

ひらがな積み木やひらがなカルタで遊んだこともない子に、いきなりひらがなを書く練習をさせる人もいます。
実際に物を数える経験をたくさんしていない子に、いきなり1から100まで数を唱える練習をさせる人もいます。
(「唱える」は「数える」の後に来るべきものです)

このような親の行動は、子どもにとっては本当に迷惑なことです。
なぜかというと、子どもにはその子独自のペースがあるのに、それが乱されてしまうからです。

同じ年でも、身の回りのことがてきぱきできる子もいれば、なかなかできない子もいます。
言語能力の発達が早い子もいれば、遅い子もいます。
でも、幼児のときに遅いからといって、ずっと一生そうとは限りません。
途中から加速的にぐんぐん伸びる子もいるのです。
つまり、成長スピードは百人百様なのです。

それぞれの子が、みな、自分自身のペースで成長しているのです。
そして、今その段階にいるのは、その子にとって必要なことなのです。
親には、必要以上にその段階でのんびり留まっているように見えるかも知れません。
でも、そこを十分踏み固める必要があるから留まっているのです。

そのペースを無視して、一気に進ませようとするのは百害あって一利なしです。
それは、その子の発達段階を無視することです。
そうすると、そこでこなすべき発達課題を十分こなすことなく次に進むことになります。
そこでやり残したものは、その子の中に留まり続けます。
それは、消えずに残り、後で形を変えて出てくることになります。

たとえば、一人で寝るのが怖いという子を無理に一人で寝させると、後々まで漠然とした不安感を引きずるようになります。
また、ひらがなを急に覚えさせられたことで「ひらがなって、大変なだけでおもしろくない」と思ってしまった子は、「勉強って、大変なだけでおもしろくない」という意識を引きずるようになります。

同じようなことが、いろいろな面で起こるのです。

子どものペースを尊重すれば、どの子も各発達段階での課題を十分こなして次に進むことができます。
そうすれば、どんな問題も引きずることなく成長していくことができるのです。

子どものペースを尊重して知的な刺激をしていけば、子どもはそれを楽しむことができます。
そうすれば、勉強はおもしろくて楽しいと感じながら成長していくことができるのです。

焦った親の行動は、本当に子どもにとって迷惑以外の何物でもありません。
ですから、まず、頭に入れておいてください。
入学準備の心構えとして一番大切なのは、「親が焦らない」ということだ、と。

その上で、「親に何ができるのか?親は何をすべきなのか?」という点について考えていきたいと思います。


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