例えば、とても面白そうな遊具があったとします。
でも「遊べるのは小学生から」と書いてあります。
それで、幼稚園や保育園の子が「やりたい。やりたい」と言って駄々をこねたとします。
こういうとき、「わがままを言うんじゃありません。小学生からって書いてあるでしょう」と叱ってしまう人が多いと思います。
それでも子どもが諦めなくて、さらに激しく「やりたい。やりたい」とわめき出すこともあります。
そうなると、親の方も「わがままを言わせてなるものか」という気持ちでさらに激しく叱る、ということになります。
実は、こういうときは、まず子どもの気持ちに共感してあげて欲しいと思います。
つまり、「遊びたいよね。おもしろそうだもんね。」と言ってあげるのです。
もちろん、ここで遊ばせるわけにはいきません。
それは、ルールを破っていいと教えることですから。
でも、子どもの気持ちに共感してあげることはルール違反ではありません。
そして、不思議なことに、親が共感してあげると子どもは意外なほど素直になります。
なぜかというと、実は、子どももやってはいけないということはわかっているのです。
でも、言ってみたいのですね。
言っても仕方がないけど言ってみたいのです。
そこで、親が共感してくれると、「あ~、自分の気持ちをわかってもらえた」ということで、少し心が満たされます。
それによって、「遊ぶことはできないけれど、気持ちをわかってもらえたから、まあいいか」ということになって、かえって我慢できるのです。
親が共感的な対応をしてくれれば、子どもは必要以上に駄々をこねたりわがままを言ったりしなくて済むのです。
その反対に、親の方が全く聞く耳を持たず、頭からはねつける対応で「ダメなものはダメ」という正論の一点張りですと、子どもは自分の気持ちの持って行き場がありません。
やりたいのにやれない、その上、親も全くわかってくれないということで、二重にストレスがたまって、よけいにわめくようになるのです。
これはいろいろな場面で当てはまります。
子どもが、何か買って欲しいと言ったとき、塾や習い事をやめたいと言ったとき、こういうとき正論型の親は頭からノーと言ってはねつけてしまいます。
そうではなく、まずは共感的に聞いてあげることが大切です。
たとえノーと言わなければならないときも、たっぷり共感的に聞いてあげた後で言うようにしましょう。
これはまた大人同士でも当てはまります。
例えば、仕事でもプライベートでも、相手の要求を断らなければならないというときがあります。
こういうとき、いきなりノーを突きつけてしまっては角が立ちます。
まずは相手の気持ちを受け入れて、共感してあげることが大切です。
たとえノーと言わなければならないときも、たっぷり共感的に聞いた後で言うようにしましょう。
そうすれば、いい人間関係が維持できます。
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