そしたら、平仮名ばかりで習った漢字があまり使われていなかったとします。
このような場合、あなたならどのように対応しますか?
次の3つの中から選んでみてください。
A 習った字は全て漢字に直させる。
B まず、中身を大いに褒める。その後で、習った字のいくつかを漢字に直させる
C とにかく中身を大いに褒める。あまり漢字のことには触れない
さあ、みなさんはどれですか?
私はBかCがいいと思います。
Aのように、「習った字は全て漢字に直させる」ということを徹底していると子どもは日記を書くのが嫌いになってしまいます。
日記や作文では、まず、中身に共感して褒めてあげることが大切です。
それで初めて子どもは書くことが好きになるのです。
書くことが好きになれば、思ったことや感じたことをぐいぐい書くようになり、文章表現力もどんどん付いていきます。
それが一番大切なところです。
それがないところで、表記法だけを身につけても仕方がありません。
どうしても漢字に直させたいときは、たくさんほめた後でいくつか直させるといいと思います。
私の実感を正直に言いますと、個性的で面白い文章を書く子は、ほとんどの場合あまり漢字を使いません。
漢字をしっかり使って、その他の表記法もきちんとしている子の書くものは、面白みに欠けることが多いというのが実感です。
もちろん、両方とも優れているという子もいますが、それは極めてまれです。
子どもはなかなか両方に気が回らないものです。
どうせなら、文章の中身の方に気を回らせた方がいいと思います。
その方が、書くことの楽しさを味わえるからです。
子どもの日記や作文の指導は、書くことを好きにさせることが最優先です。
漢字や表記法のことをやかましく言い過ぎて、書くこと自体を嫌いにしてしまっては元も子もありません。
「角を矯めて牛を殺す」ということにならないようにしてください。
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