人は誰でも何かしらのトラウマ、つまり心の傷を持っています。
その原因にはいろいろありますが、非常に多いのが親の言葉によるトラウマです。

親から子どもに向けられる言葉で一番ひどいのは存在否定の言葉です。
つまり、その子の存在そのものを丸ごと否定する言葉です。
例えば次のようなものです。

・お前なんかいなければよかった
・お前さえいなければ……

・お前なんか、本当は生みたくなかった
・子どもは欲しくなかったけど、できちゃったからしょうがなく生んだんだ

・どこかに捨てようかと思ったけど、捨てるところがなかった
・子どもは2人の予定だったんだけどね(3人目の子に向かって)

・本当は男の子が欲しかったのに……
・3人目は女の子がよかったんだけど……
・お前は橋の下から拾ってきたんだ

・そんな子はうちの子じゃありません
・そんな子は要りません

・そんなことをする子はいない方がいい
・言うことを聞かない子は要りません。どこかに捨ててくるぞ
・あんたなんかいない方がいい。帰ってこなくていいから。どこかに行っちゃえ

親は何気なく言っているのかも知れませんが、子どもが受けるダメージは深刻です。
親が自分の存在を否定しているのですから、子どもも自分を肯定できなくなります。
これは言葉の暴力であり心理的虐待です。

子どもは、「自分なんかいない方がよかったんだ」「自分は存在してはいけないんだ」「お父さんとお母さんはもっと他の子が欲しかったんだ」と思うようになります。

自尊感情・自己肯定感など持てるはずがありません。
いつも自己否定感でいっぱいであり、幸せを感じることができません。

何事においてもがんばる気力など出てきません。

親の愛情を感じていませんので、親を信頼することもできません。
親への不信感が他者一般に対する不信感になり、人を信頼することができません。

他者不信でいっぱいな人は、被害妄想的になり攻撃的になります。
当然、人に優しくすることもできません。

問題を起こすことで周囲の注目を浴び、自分の存在を主張したいという気持ちが出てきます。

ということで、何気なく言っている言葉の中に、子どもの存在を否定する言葉が含まれていないか、今一度振り返ってみてください。

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