小学6年生のA君はカブトムシの飼育に熱中していました。

ある日、お母さんに1冊のノートを渡され、カブトムシを観察して絵と文章で記録することを提案されました。

大好きなカブトムシのことなので、A君も大乗り気でやり始めました。


しばらくはカブトムシの様子や飼育のことなどを書いていましたが、書いているうちにわからないことが出てきて、図鑑を見たりお母さんと一緒にネットで調べたりして書くようになりました。

 

そのおかげで、A君はカブトムシについて短期間に非常に詳しくなり、飼育の腕も上がり、お母さんも驚いたそうです。

ただ漠然と飼育していただけのときに比べて、ノートを書き始めてからは格段の進歩が見られたとのことです。

 

この話を聞いて私が思い出したのは、「夢をかなえるサッカーノート」を著した中村俊介選手のことです。

彼は17才の時からサッカーノートを書き始め、練習のこと、監督の言葉、戦術のアイデア、試合の反省点、悔しい気持ち、自分の課題、夢などを15年以上も書き続けてきました。

その結果、彼は超一流の選手になりました。

 

私が尊敬する授業の名人・M先生はずっと授業ノートをつけていました。

事前に授業の進め方を書き、授業の後は子どもの様子や改善点を書いていました。

一流の料理人の多くは自分のレシピノートをつくっていると聞いたこともあります。

 

このように、どんな分野でもその道を深める上でノートは非常に効果的です。

書くことで課題が見つかり、思考が深まり、調べたり工夫したりすることができるからです。

夢や計画を書くことでモチベーションを維持することもできます。

 

子どもたちにも、好きなことを深めるノート術を教えてあげるといいと思います。

スポーツ、習い事、趣味など、何でもいいので、気軽に書きたいことを書くようにするといいと思います。

とにかく楽しみながら書くことが一番大切です。

 

ですから、これを叱る材料にしないでください。

書かないからと言って叱っていると、好きだったその物事自体が嫌いになってしまいます。

書くことは苦手という子もいますので、そこは気をつけて、無理な強制はしないでください。

初出『聖教新聞』(2012年3月23日から連載)

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