みなさんは、国語の勉強というと一番初めに何を思い浮かべますか?


たぶん、多くの方は漢字と作文だと思います。

 

でも、実際に学校で一番時間がかけられているのは、その2つではありません。

一番は、物語を読み取る授業です。

 

物語とは、例えば「ごんぎつね」「大造じいさんとがん」などの童話や児童文学の作品を教材化したものです。

みなさんも、子どものころに勉強した記憶があるのではないでしょうか。

 

  物語は、かけられる時間数が多いだけではありません。

教科書のページ数から見ても、一番多いのは物語です。

 

このごろは、時間的にもページ的にも物語の占有率は減ってきています。

それでも、国語の授業のメインディッシュであることに変わりはありません。

 

ですから、物語に強い子が国語の授業で活躍できるのです。

では、物語に強くなるためには、どうしたらいいのでしょうか?

 

それは、ずばり、読書をたくさんすることです。

とくに、童話や児童文学などの物語の本をたくさん読むことです。

これには、疑う余地がありません。

これがなんといっても一番です。

 

でも、読書以外にも、教科書の物語教材を使って読解力をつけ、物語に強くする方法があるのです。

それについて、紹介したいと思います。

 

まず、その前に、物語の授業の進み方を見ていきましょう。

それは、だいたい次のような3つの段階で進みます。

 

 

1,先生の読み聞かせ

2,感想を発表し合う

3,場面ごとに詳しく読み深める

 

  1の先生の読み聞かせのとき、子どもたちは教科書を開いて、目で文字を追いながら聞くことになっています。

でも、中にはそれができない子もいます。

 

そういう子は、どこだどこだと文字を探すのが精一杯で、物語に浸ることができません。

そのうちに、頭は別のことを考え始めてしまいます。

 

ですから、読み聞かせをするときに子どもたちに教科書を出させない先生もいます。

その方が、かえって集中できる子もいるからです。

 

読み聞かせの後で感想を発表させますが、先生はここでけっこう苦労します。

というのも、良質な感想を言える子は意外と少ないからです。

 

少しでも良質な感想を言わせたいと思って、自分のノートにじっくり感想を書かせてから発表させることもあります。

でも、あまり変わりません。

 

「おもしろかったです」とか「○○がかわいそうでした」くらいなら、ほとんどの子が言えます。

でも、物語のテーマに関わるような深みのある感想となると、なかなか出てきません。

 

テーマに関わりがあって、しかも、その子のオリジナリティがある感想が出てくると、先生はとってもうれしくなります。

こういう子は、ほとんどの場合、読書をたくさんしている子です。

せいぜい、クラスに3,4人いればいい方です。

 

  ということで、みなさんには、ここでも読書の大切さを理解していただきたいわけですが、もう1つ即効性のある方法も紹介しておきたいと思います。

 

それは、その物語を家で事前に何回か読んでおくということです。

大人でもそうですが、何回か読むことで理解が深まります。

1回読んだだけでは分からないことが、2回3回と読んでいるうちに分かるようになっていくものです。

 

家で読むときも、最初は、親の読み聞かせが一番いいと思います。

その後は、子ども自身が声に出して読む音読がいいでしょう。

もちろん、子どもが嫌がらなければ、ですが。

 

親が上手にほめてあげれば、宿題が出る前から子どもは自主的に音読するようになります。

上手にほめて、やる気にさせてあげることが大切です。

 

このようにしておけば、学校で先生が読んでくれるときには、中身がけっこう分かっている状態ということになります。

先生の声に合わせて文字を目で追うのも楽です。

物語の感想を書いたり発表したりするときも、自分なりに内容のあるものを書いたり発表したりすることができます。

 

こう言うと、「それでは、学校で初めて読むときの新鮮さがなくなるのでは?」と思う方もいると思います。

でも、私は、それは大したことではないと思います。

 

家で初めて事前に読むときに、そこで新鮮さを味わえばいいのです。

それに、よく中身が分かっているものでも、先生の声で読んでもらうとまた新鮮な味わいが出てくるものなのです。

 

特に、子どもは、同じものを何回も見たり読んだりするのが好きです。

そこに、初めてのときとは違う快感があるのです。

というわけで、私は、家で事前に何回か読んでおくことをおすすめします。

 

そのうち、学校の授業でその物語の勉強が始まれば、宿題として音読が出るようになると思います。

その音読のときに、親が次のようなことを聞いてやるといいと思います。

 

 □□のとき、主人公の○○はどんな気持ちだったかな?

なぜ、○○は△△をしたのかな?

○○はどんな子?

○○のことをどう思う?

○○に言ってあげたいことある?

出てくる人の中で誰が好き?

あなたにも似たようなことなかった?

好きな場面はどこ?

面白い場面は?

感動したところある?

 

もちろん、畳みかけるように聞くのではなく、折を見てそれとなく聞くようにしてください。

つまり、質問という感じではなく、おしゃべりの延長のように聞くのがコツです。

 

もちろん、子どもに聞いて話させるだけでなく、親が自分の考えを話してやるのもいいことです。

とにかく、親子で世間話をするように、その物語についてあれこれおしゃべりするのがコツです。

 

こういう時間が少しでも持てれば、子どもの理解はかなり深まります。

それが、授業で大いに生きてきます。

とくに、「場面ごとに詳しく読み深める」段階で大いに生きてきます。

 

ところで、この「場面ごとに詳しく読み深める」段階で、特に取り上げられるのは、そのときどきの登場人物の気持ちです。

 

「このとき、○○と△△はどんな気持ちだったかな?」というのが、一番よく出る問題です。

宿題の音読をするときなどに、親子でそれについておしゃべりしていれば、こういう問題にも自分なりの考えを持つことができます。

 

ところで、この「場面ごとに詳しく読み深める」段階に進んだとき、大事なことがもう1つあります。

それは、物語の全体が頭に入っていて、どこに何が書いてあるかがすぐに分かるということです。

 

例えば、ある子が「『背の高いチューリップに向かってタンポポが言いました』というところを見てください。そこで、私は思ったんだけど・・・」などと発表しているときには、それが書いてあるところをさっと見つけだす必要があります。

 

それができないと、その子の話に付いていけません。

やっとその部分を見つけたときには、もうその子の発表は終わっていたということになりがちです。

 

そうなると、それについて賛成も反対もできませんし、次々に進む話し合いに付いていくことなどとてもできないわけです。

 

みなさんも、何かの説明を聞いているときに、たくさんある文書のどこに書いてあるのか見つけられなくて困ったことがあると思います。

見つけだしたときはすでに説明が終わっていて、あまりよく分からなかったということがあると思います。

それと同じ状態になるのです。

 

では、どうしたら物語の全体を頭に入れることができるのでしょうか?

実は、それも音読によって可能になるのです。

つまり、声に出して繰り返し繰り返し読むことでそれが可能になるのです。

 

音読は宿題になることも多いので、毎日やっている子も多いと思います。

でも、もし、宿題になっていないとしても、ぜひ毎日やらせてください。

そして、やらせるときのコツは、ひたすらほめ続けることです。

 

毎日毎日、家で音読をしっかりやっていれば、子どもはいつの間にか物語全部を丸暗記してしまいます。

こうなれば、授業も楽々分かるようになるのです。

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