子どもがやるべきことをやらないとき、大人はつい「○○しなきゃダメでしょ。なんでちゃんとやらないの」などと叱ってしまいます。
でも、これだと、子どもは自分がとがめられたと感じてしまい、反発する気持ちが生まれて素直に受け入れる気になれません。
こういうときは、とがめる要素を入れないで上手に促すことが大事です。
そして、それは「○○しなきゃダメ」という語尾を「○○しよう」という語尾にかえるだけで可能になります。
つまり、「ほら、片づけなきゃダメでしょ」ではなく「さあ、片付けよう」に、「どんどん歯を磨かなきゃダメでしょ」を「さあ、歯を磨こう」かえるのです。
このように、語尾をかえるだけでとがめる要素が消え、子どもも素直に受け入れる気になれます。
もうひと工夫して、ハードルを下げて促すとさらに効果的です。
例えば、「手伝ってあげるから○○しよう」「一緒に○○しよう」「ちょっとだけやってみよう」「先に半分だけやっておこう」などです。
これだと簡単そうに感じられて取りかかりやすくなるのです。
取りかかってしまえばエンジンがかかってきますので、とにかく最初の取りかかりのハードルを下げてあげることがコツです。
あるいは、時間を意識させて促すのも効果的です。
例えば、「一分以内に勉強に取りかかるよ。タイマーと競争、用意、ドン」「何分で取りかかれるか計ってみよう。始め!」「四時半までにやっちゃおう」などです。
ぐずぐずして取りかからないときは、選択肢を示して選ばせるのも効果的です。
例えば、「先に遊んでから宿題にする? それとも先に宿題をやってから遊ぶ?」と言って選ばせるのです。
自分で決めたということで、子どもなりにちょっとした責任を感じるので、行動につながりやすくなります。
競争化・ゲーム化して促すと、子どもはけっこう乗ってきます。
つまり、”○○ごっこ”にしたり”○○競争”にしたりするのです。
例えば、片づけをしない子に「ママと片づけごっこだよ。どっちがたくさん片づけられるかな、用意ドン!」とか、着替えが遅い子に「今から着替え競争。どっちがはやいかな?始め」などと言うのです。
初出『聖教新聞』(2012年3月23日から連載)
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