子どもが「ああ、今日は疲れちゃった。宿題やりたくない」と言い出して困ったことはありませんか?
それを聞いて、ほとんどの親は「何言ってるの? ちゃんとやらなきゃだめでしょ!」と叱ると思います。
でも、これでやる気が出る子がいたら奇跡です。
やる気が出るどころか、かえってやる気をなくすのがオチです。
こういうときは、叱るのではなく、逆に「本当に大変だね」「ああ、宿題か…。イヤになっちゃうよね」と共感してあげてください。
親に共感してもらえると、子どもは「自分の大変さがわかってもらえた」と感じて、それだけで気持ちが楽になります。
そして、しばらく様子を見ながら、頃合いを見計らって「でも、しょうがないから、ちょっとだけやってみよう」「手伝ってあげるから、一緒にやろう」と言ってみてください。
「ちょっとだけ」「手伝ってあげる」「一緒に」などの言葉が、子どもの負担感をかなり軽くしてくれます。
すると、子どもも「やらなければ」という気持ちはあるので、意外と素直にやり始めてくれるものです。
そして、やり始めて軌道に乗ってくれば、けっこう自分でどんどんやれるものです。
同じことは大人でも言えることです。
たとえば、家に持ち帰った仕事があるとき、「ああ、仕事したくない。イヤになっちゃう」と、愚痴の一つも言いたくなります。
このとき、旦那か奥さんに「何言ってるの?ちゃんとやらなきゃだめしょ!仕事なんだから」と正論で突き放されたらどうでしょうか?
ストレス倍増で、やる気など出るはずがありません。
逆に、「本当に大変だね。会社で一日働いて、また家でもやらなきゃならないなんて、疲れちゃうよね」と共感してもらえれば、気持ちが楽になります。
そして、「まあ、しょうがないか。やるっきゃない」という気にもなれるというものです。
これは、子どもの宿題のみならず、家庭でも職場でも万事において当てはまります。
常に、正論よりも共感を大切にしてください。
初出『聖教新聞』(2012年3月23日から連載)
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