何かにつけ、親はわが子の短所に目がいきがちです。
「○○ができない。□□も苦手だ」などと、足りない点ばかりを数えている親がたくさんいます。
私が多くの親子を見てきてわかったことは、短所に注目していつまでもそこをつついても決してよい芽は出ないということです。
親は同じことを叱り続け、子どもはどんどん自信をなくし、生活全般においてやる気を失います。
やがて親に反発を感じ始め、ますます素直に聞く気になれなくなります。
叱られたストレスが兄弟げんかや友達とのトラブルの遠因になり、それでまた叱られます。
万事において悪循環が続くことになります。
それよりも、その子の好きなことや熱中できることを応援して、たくさんほめて、先に伸ばせるところをどんどん伸ばした方がはるかに効果的です。
そうすれば、子どもは自分に自信が持てるようになり、生き生きしてきます。
がんばるエネルギーもわいてきて生活全般に張りが出ます。
それによって、いつの間にか短所が直ることもあります。
直らないまでも、目立たなくなるということは非常によくあることです。
また、ほめてくれる親の話は素直に聞く気になれますし、心が満たされているので兄弟や友達にも優しく接することができます。
つまり、万事においてよい循環が始まるのです。
悪循環を絶ってよい循環に変えるために、絶対に必要なのが、思い切って短所に目をつむる勇気です。
まずこれがないと、いつまでも同じことを続けることになり、循環の方向を変えることは決してできません。
親が思い切って、つまり今までの思いを切って、目をつむる決意をしてください。
そうすれば必ずよい循環が始まります。
初出『聖教新聞』(2012年3月23日から連載)
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