親たちはよく子どもを叱りますが、叱る内容の9割は毎日同じです。


新しいことで叱るということは意外と少ないものです。

 

「また歯を磨いてない。何度同じことを言わせるの」「トマトの水やりは? 昨日も忘れたでしょ」など、親子で同じことを繰り返しています。

 

そこから抜け出すために必要なのは合理的な工夫です。

私はそれを”叱らないシステム”と呼んでいます。

口で叱り続けるだけでは何も改善しません。

 

例えば、お箸と一緒に歯ブラシを出しておくだけで歯磨きを忘れなくなります。

それで磨けたらほめます。

 

一週間続いたら出すのをやめてみます。

つまり、ちょっと手を離してみるのです。

 

それで磨けたらもっとほめますし、磨けなくなったらまた出してあげればいいだけのことです。

あるいは、最初から自分で出しておくようにしてもいいでしょう。

 

何事も工夫して解決するという発想が大事です。

ですから、まずはいつも叱っていることをリストアップしてみてください。

 

次にそれを解決する方法を考えます。

 

これは親が考えても、あるいは親子で一緒に考えてもいいのですが、いずれにしても必ず親が関わってください。

その姿を見て子どもは親の愛情を実感するからです。

 

それに、「自分で考えなさい」と突き放すだけでは結局うまくいかず、また叱るネタが増えるだけです。

 

ある女の子は毎朝トマトに水をやるのを忘れていました。

でも、水を入れたペットボトルを枕元において寝るようにしたら忘れなくなりました。

 

ある男の子は学校から体育着を持ち帰るのを忘れることが多かったのですが、ランドセルの蓋の内側に「体育着!」と書いた付箋紙を貼るようにしてから忘れなくなりました。

 

一つ工夫するだけで長年の悩みがあっさり解決することもありますが、うまくいかないときもあります。

そういうときは、さらなる改善をしてください。

 

親がこのような姿勢でいれば、子どもは大切なことを学びます。

それは、何か問題があるときは工夫して乗り越えるということです。

これこそ親が子どもに贈る最高の教育といえるものです。

 

初出『聖教新聞』(2012年3月23日から連載)

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