多くの親御さんから、「うちの子はなかなか宿題に取りかからない」という悩みを聞きます。

その場合、ほとんどのひとは「どんどん宿題やらなきゃダメでしょ。何度言ったらわかるの」と叱っています。

でも、これだと子どもはよけいにやる気をなくすだけです。
必要なのは宿題に取りかかるハードルを下げる工夫です。

あるお母さんは、テーブルの上に広くて浅い箱を置いて子どもにこう言いました。

「学校から帰ってきたら遊んでもいいけど、せめてカバンの中身を全部この箱の中に出してからにしようね」。

その子は、それまで遊びが終わってもなかなか宿題をやらない子でした。
でも、箱に出すようにしてから宿題への取りかかりが楽になったそうです。

というのも、宿題のプリントや漢字ドリルが目に見えるところに出ているからです。

たったこれだけのことで、カバンの中に入ってロックされたままの状態よりプリントやドリルを手に取りやすくなったのです。

もう一歩進めて、宿題に必要な物をテーブルの上にまとめて出しておくと、また一段ハードルが下がります。

「これだけやればいいのだ」と思えることが大きいのです。

やるべきページを開いて、下敷きも入れておけばさらに始めやすくなります。

また、もう一歩進めて、宿題を一問だけやっておくとかなり効果的です。
漢字書き取りなら一字だけ、計算プリントなら一問だけやってから遊ぶようにするのです。

一問だけならそれほど大変ではありません。
そして、一問やるときに全体が目に入るので、終わりまでの見通しがつきます。

大人の仕事でもそうですが、見通しがつくと気持ちが楽になってやる気が出てくるものです。

これらはほんの一例です。
とにかく大切なのは、ただ口で叱るのではなく合理的な工夫で問題解決することです。

ぜひ、わが子に合った方法を工夫してみてください。

初出『聖教新聞』(2012年3月23日から連載)

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