テレビは勉強の敵と思っている人が多いと思います。

でも、見方を工夫すれば、子どもに知的な刺激を与え、勉強好きにする上で大いに役立てることができます。

たとえば、生き物のすばらしさを紹介する番組は、私のイチオシです。
以前に見たハキリアリのエピソードを紹介しましょう。

ハキリアリというアリは、木の葉を切って巣に運び、それを肥料にしてキノコを栽培し、その茸を食べるそうです。

つまり、アリが農業をしているのです。
これには驚きました。

こうした番組を見ていると、生き物について知識が増えるのはもちろんですが、自然の不思議さに心を打たれて、もっと知りたくなります。

世界遺産を扱った番組で、見たことのない景色や人々の生活にふれるのも楽しいものです。
地図帳や地球儀で調べながら見ると記憶に残り、世界の地理や歴史にくわしくなります。

歴史番組もおすすめです。
一般的に知られていない歴史の裏話を知ることができて、興味を掻き立てられます。

大河ドラマもいいですね。
私が歴史好きになったのは大河ドラマの影響が大きいと思います。

私がいちばん熱心に見たのは『太平記』でした。

足利尊氏、新田義貞、後醍醐天皇、楠木正成、高師直など、個性豊かな歴史上の人物が次々と登場して、鎌倉時代から南北朝時代を経て室町時代に至るまで、わくわくしながら見たものでした。

足利尊氏に興味を持ち、関連する本も何冊か読みました。
一年間見ていると、その時代についてかなりくわしくなります。

大事なのは、よい番組を選んで見ることです。
そのためには、そのときたまたま流れている番組を漫然と見るのではなく、計画的に録画して見ることが大切です。

また、番組を見たらそれで終わりではなく、親子で感想を話し合ったり、図鑑で調べたり、関連する本を読んだりするといいですね。
知識がさらに増えますし、興味関心もますます高まります。

学研教室の先生方もよい番組を見て、子どもたちに紹介したり話題にしたりするといいと思います。

初出『Smile』(学研エデュケーショナル)

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