私が2年生で受け持ったAさんという女の子は、宿題以外の自主勉強を毎日やっていました。
特によくやったのが算数の文章問題でした。

なぜ、それほどがんばれたかというと、お母さんが毎日手作りの文章問題を作ってくれたからです。
そして、Aさんが楽しく取り組めるように、お母さんの問題には次のような工夫がされていました。

(1)Aさん自身の名前はもちろん、家族や友達の名前が登場する 
(2)生活の中で実際にあったことやありそうな場面を題材にする

例えば、「お母さんはAさんを26才の時に生みました。Aさんは今7才です。お母さんは何才でしょう?」とか「Aさんは書き取りの漢字を57こ書き終わりました。友達のBさんは73こです。どちらがいくつ多く書き終わりましたか?」などの問題です。

子どもは、自分や身近な人の名前が出てくるだけで楽しくなります。
そして、生活の中であったことやありそうな場面を題材にすることで、内容がイメージしやすくなります。

これは文章問題を解くときに大切なことです。
なぜなら、問題に書かれている内容をイメージすることで、初めて式をつくることができるからです。

さらに手作り問題なら、その子の必要に応じてつくることができます。
かけ算が苦手ならかけ算の問題、割合が苦手なら割合の問題、というようにです。

また、子どもが簡単に解けるところから始めて、だんだん難しくしていくこともできます。
以前やった内容をおさらいするために出すこともできます。

子どもの方も、自分のためにわざわざ作ってくれた問題ということで、愛情を感じながらありがたくうれしい気持ちで勉強することができます。

一日一問でいいのでやってみるといいと思います。
2)が難しい場合は、既存の問題を活用して(1)だけでもやってみるといいと思います。

初出『Smile1』(学研エデュケーショナル)

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