算数の文章問題が苦手な子を見ていると、手も足も出ないまま固まっていることがあります。

そして、多くの場合、時間だけが過ぎて結局できないまま終わります。

このようなことにならないために大切なのは、文章問題のときには図を描いて考える習慣をつけておくことです。

例えば次のような問題があったとします。
「バスが5台あります。2台のバスには30人ずつ乗っていて、3台のバスには29人ずつ乗っています。全部で何人乗っているでしょうか?」

文章問題が苦手な子の場合、このようにたくさんの数字が出てくるとわけがわからなくなってきます。
文章が表している状況がイメージできないからです。

この場合、バスを表す四角を5つ描いて、その中に「30,30,29,29,29」という数字を入れていけば図ができあがります。
この図が描ければ、式も自然に浮かんできます。

このように、頭の中だけではイメージできないことでも、図で表せば一目瞭然になります。

でも、テストの時だけ図を描いて考えさせようと思っても無理です。
日頃から図を描いて考える習慣をつけることが大切です。

ただ、子どもの中には図ではなく絵を描き始めてしまう子もいるので気をつけてください。
先ほどの問題でも、バスのタイヤや窓まで描いたりする子が出てきますので。

その場合は、「絵ではなく簡単な図でいいんだよ」と教えてあげてください。

低学年のときから図を描いて考える習慣をつけておくと、高学年で複雑な問題に挑戦するときも、手を動かして描きながら試行錯誤することができるようになります。

初出『Smile1』(学研エデュケーショナル)

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