子どもの中には、自分から先生にどんどん話しかけてくる子もいれば、自分からはまったく話しかけてこない子もいます。

ですから、自然に任せているだけだとコミュニケーションの頻度に大きな差が出てしまいます。

先生になったばかりの頃、私はこのことに気づきませんでした。
ですから、あるとき先輩から、子どもとの関わり方に偏りがあるのではないかと指摘されて、「えっ?そんなはずはない」と思いました。

自分では子どもたちを選り好みしているつもりなどあるはずもなく、平等に接しているつもりだったからです。
そこで、それまでの数日間のことを振り返って、会話のあった子は名簿にチェックをつけてみました。

私はその結果を見て驚きました。
数日間まったく会話のない子が5人くらいいたのです。
その子たちの共通点は、自分からは先生に話しかけてこないということでした。

私は大いに反省しました。
この子たちと同じ部屋の中で何時間も過ごしながら、温かい声の1つも掛けていないのですから。

しょっちゅう先生と楽しそうにおしゃべりしたり笑い合ったりしている子がいる一方で、何一つ触れ合うことなく過ごしている子もいるのです。

それから私は名簿に記録をつけることにしました。
給食を食べながら午前中を振り返って名簿にチェックをすれば、午後の下校までには声を掛けることができます。

ということで、私は子どもを相手にする方々にはこのような意図的な努力が必要だと思います。
そうすれば一人一人をもれなく大切にすることができます。

自然に任せているだけだと必ず偏りが出ますし、偏りがあることにすら気づかないという事態になってしまうと思います。

初出『Smile1』(学研エデュケーショナル)

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