子どもの話を聞くとき、大人の態度には正論型と共感型という2つのタイプがあります。

たとえば、子どもが「今日、学校で先生に叱られてむかついちゃった」と話したとします。
そのとき「そんなことを言っちゃダメでしょ。そういうときはちゃんと謝らなくちゃ」
と返すひとは正論型です。

「えっ、どうしたの?」「だって騒いだのは私だけじゃないのに私だけ叱るんだもの」「そうなんだ、それはイヤだよね」と返すひとは共感型です。

子どもは正論型の大人には話をしなくなります。
「このひとに言ってもムダ。叱られるだけ損」と思うからです。

共感型の大人には腹を割って本音を話すようになります。
「このひとならわかってくれる」と思えるからです。

もちろん、共感だけでは済ませられなくて、何かしらのアドバイスや指導をしたほうがいい場合もあります。
そういうときも、たっぷり共感しながら聞いてあげた後にした方がいいでしょう。

自分の気持ちがわかってもらえたと思える状態になっていれば、相手の話も素直に聞けるようになるからです。

子どもにとって信頼できる大人とは、自分のことがわかってくれるひと、つまり共感してくれる人です。
このことがわかっている親や先生は子どもに好かれて信頼されるようになります。

そして、無理に命令しなくても子どもは素直にそのひとの言うことを聞くようになります。
また、そのひとの周りには自然に子どもが寄ってくるようになります。

初出『Smile1』(学研エデュケーショナル)

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