もし、道で一円見つけたとしたら、あなたはどうしますか?
あなたは拾いますか?

私は多分拾うと思います。
一円くらいなら拾わないという人もいるかもしれません。
世代によって違うかもしれませんが、結構拾う人が多いのではないでしょうか?

さて、その一円を拾ったとして、その後あなたはそれをどうするでしょうか?
まあ、一円くらいならもらってしまっていいかな、と思う人が多いかも知れません。
そして、その際極めて少しかもしれませんが、良心の呵責を感じるはずです。

大人の場合はそれでもいいかも知れません。
でも、もし子供と一緒に道を歩いていてあなたが一円を拾ったとしたら、話は少し違ってきます。
一円くらいいいよね、と言って自分のものにしてしまってはいけません。
なぜかというと、子供にはお金というもののあるべき姿、お金の原理原則をまず教えなければならないからです。

では、お金のあるべき姿、原理原則とは何でしょうか?
次のようなことです。

ア 例え一円でも、お金はお金だということ
イ 例え一円でも、足りなければ物は買えないということ
ウ 例え一円でも、お金は大切だということ
エ 例え一円でも、お金を稼ぐのは大変だということ
オ 例え一円でも、お金は正しい方法で稼がなければならないということ
カ 例え一円でも、拾ったものをそのまま自分のものにしてはいけないということ
キ 例え一円でも、盗めば泥棒だということ

普通の大人はこのようなお金のあるべき姿、原理原則を理解した上で、それに自分の人生観を加味して道に落ちている一円に対処します。

ですが、子供の場合は違います。
まだ、お金のあるべき姿、原理原則を理解していく途中です。
大人にとっては分かり切っていることでも、子供にとっては未知なものはたくさんありますが、お金もその一つです。

この世に生まれて間もない子供たちには、お金のことはまだよく分かっていません。
ですから、お金のあるべき姿、原理原則を正しく教えることがまずもって大切なのです。

最初から、一円くらいならもらってしまっていいんだよ、と教えてしまっては正しいお金観が育ちません。
その子のお金観はゆがんだものになってしまいます。
道に落ちている一円を拾って一切何の良心の呵責もない、そういう大人になってしまいます。
先のアからキのようなお金のあるべき姿、原理原則を十分理解しない大人になってしまいます。

とはいっても、拾った一円を交番まで持っていくというのはなかなか面倒なことです。
そこで、私は一つの方法をお勧めします。
コンビニに行けば必ず、募金の箱がありますので、それに寄付するのです。
そして、子供に、あなたが拾った一円を募金箱の中に入れるところを見させるのです。
そして、先程のアからキのようなお金のあるべき姿、原理原則を子供に分かるように話してやるといいと思います。

このようにしてやれば、子供は正しいお金観を身に付けることができます。
それが、ひいては万引きや窃盗の予防に繋がっていくのです。
さらに、健全な社会人として経済生活、経済活動に繋がっていくのです。

子供に正しいお金観を育んでやることは、親の義務です。
たかが一円、されど一円です。

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