親は、子どものことでいろいろな問題や困難に直面することがあります。
ずっと同じことで悩むこともありますし、1日前まで全く考えてもみなかった問題や困難が、ある日突然目の前に表れることもあります。

自分のことならまだある程度予測できる場合もありますが、別の人格である子どもについては、予測しようもない場合もたくさんあります。

やるべきことを後回しにしてばかりいる、マイペースで困る、片づけができない、勉強しない、ゲームばかりしている、アトピーがある、チックが始まった、いじめられているようだ、友達にけがをさせてしまった、鬱病かもしれない、ADHDかもしれない・・・。

このような子育ての問題や困難に直面したとき、あなたはどうしていますか?

私は、こういうとき、取りあえずインターネットで調べてみることをおすすめしたいと思います。
例えば、子どものチックが心配なとき、「チック」という言葉で検索するのです。
そうすれば、瞬く間に膨大な情報を集めることができます。

必要な情報をもっと効率的に集めたいときは、次のような検索方法があります。
●「チック 原因 子ども」などの複数の言葉を組み合わせると、アンド検索ができます。
●不必要な情報を取り除きたいときは、マイナス検索をします。
●2つのキーワードのどちらかを含む情報を集めたいときは、オア検索をします。

この3つが使えるだけでも、だいぶ違います。
検索のスキルが上がると、必要な情報をかなり効率的に手に入れることができるようになります。

このように、まず、インターネットで検索してみることをおすすめします。
そうすれば、いろいろなサイトから、チックについての知識や最新の情報を得ることができます。
ブログからは、実際にチック症状の出た子の親が書いた体験談などを得ることができます。
これは、実はものすごいことなのです。
一昔前なら考えられないことです。

以前なら、1,医者や保健婦に聞く、2,本で調べる、3,いろいろな人に聞く、くらいしかなかったのですから。
それで、前の2つはけっこう手間がかかるので、だいたいの場合は、手っ取り早くいろいろな人に聞くくらいのものでした。

でも、いろいろな人といっても、せいぜい3,4人くらいです。
そして、その3,4人が適当にいろいろなことを言うのを聞いて、ますます混乱するのがオチでした。
ある人は「チックは見つけ次第注意した方がいい」と言うかも知れませんし、ある人は「チックのことは注意しない方がいい」と言うかも知れません。

そして、その人たちにしても、特別な根拠があるわけではなく、だいたいの予想で言っているわけです。
チックを例にしましたが、他のことでも同じようなものでした。

でも、インターネットで調べればこのような状況はかなり改善されます。
もちろん、インターネットの情報は玉石混淆ですから、中にはとんでもない間違いもあり得ます。
でも、検索に慣れてくると、だんだん信頼できそうなサイトや情報の見分け方も上手になってくるのです。
専門の研究者や医者のサイトも、すぐに見つけることができるようになります。
これは、以前と比べたらはるかにいい状況と言えます。

実は、私もチックについて、そのようにして調べたことがあります。
きっかけは、私のメールマガジンの読者の方からいただいたメールです。
その方は、「最新の研究によると、チックには遺伝的な体質が影響していると言われている」ということを教えてくれました。
その方も自分の娘さんがチックになって、知り合いのお医者さんに聞いたり、インターネットで調べたりしたそうです。

それで、私も自分で検索して調べたところ、確かにその方の教えてくれた通りでした。
ちなみに、調べて分かったことを私なりにまとめると次のようになります。
1.遺伝的に、チックになりやすい子とそうでない子がある
2.同じストレスでもチックになる子とならない子がある
3.少しのストレスでチックになる子もいる
4.ストレスが多くてもチックにならない子もいる
5.チックは気にしない方がいい
6.でも、ストレスの軽減は必要

このことをメールマガジンで書いたところ、それを読んでとても気持ちが楽になったという方もいました。
もし、こういうことを知らなかったら、「わが子のチックは、親である自分の育て方に全ての原因がある」と思い込んで、いたずらに悩んでしまう可能性もあります。
知っていればそういうことが防げますし、適切な対応をすることができるようになります。

もちろん、私はその面の研究者ではないので、この情報が完全に正しいと断言することはできません。
さらに研究が進めば、これが間違いだったということになるかも知れません。
その可能性が全くないとは言い切れませんし、科学的な発見には常にそのような可能性が存在するものなのです。

とはいっても、ろくに調べる方法がなかったころに比べればはるかにいい状況なのです。
そこで、私は「親力の1つとして検索力を身につける」ことをおすすめしたいと思います。
そのために、いくつか提案したいと思います。


先ほど言ったように、アンド検索、マイナス検索、オア検索などの検索方法を使えるようにすることは基本中の基本です。
それについての本を読むのもいいですし、それこそ「検索方法」という言葉で検索して調べるのもいいでしょう。


具体的な悩みがある場合には、「子育て 相談」「子育て 悩み」などと言葉をいくつか組み合わせて検索してみてください。
必要に応じて、ADHD、LD、軽度発達障害、肥満、アトピー、鬱、いじめ、学力、しつけ、整理整頓、マイペース、親子関係・・・などの言葉も入れます。

そうすれば、子育て相談や教育相談を扱っているところがヒットするはずです。
専門家が回答するところもありますし、親同士が回答を出し合うところもあります。
ウェブ上で対応のところもありますし、電話や面談で対応のところもあります。

ウェブ上で対応しているところでは、過去の相談事例を公開しているところが多いと思います。
それは、かなり役立つはずです。
というのも、世の中には似たような悩みで悩んでいる人が必ずいるからです。
自分の悩みのヒントになるものがそこにある可能性は、かなり高いと言えるのです。


「○○市 子育て 相談」「○○市 子育て 悩み」などのように、自治体の名前を入れて検索すれば、距離的に近いところで面談可能なところが見つかると思います。
自治体や民間の子育て支援センター、相談所、病院、子育てサークル、子育てサロン、NPOなど、いろいろなところがあります。

やはりウェブ上のやりとりだけでは、どうしても不十分なことはあります。
やはり専門家や同じ悩みを持つ人と直接会って話をすることには、かないません。
直接人と会ってたっぷり話を聞いてもらったり、いろいろなアドバイスをもらったりすることは大切です。
その場合、インターネットで検索することは、そのような場所や施設を知るためにとても有効です。


子育てや教育について信頼できるサイトを「お気に入り」に登録しておくのもいい方法です。
ウェブ上には無料で良質の情報を提供しているサイトがたくさんあります。
これらを使いこなせば、大いに役立つはずです。
日常的に覗いていれば、いろいろ有益な情報を得られると思います。


ここまで、インターネットの有効性について書いてきましたが、だからといって身近な人の経験に学ぶ必要がないということではありません。
おじいちゃん、おばあちゃん、ママ友達など、身近な子育て経験者からも大いに学ぶ姿勢が大切だと思います。
実体験に基づいた経験則には、実際的で有効なものが多く含まれているからです。
大いに吸収して、自分のものにしていって欲しいと思います。


いろいろな情報を利用する際の注意点としては、何ごとも無条件で鵜呑みにしないことが大切だと思います。
インターネットの情報は玉石混淆ですし、専門家の意見が人によって異なることもありますし、身近な人の経験則が間違っていることもあります。

ですから、その情報がわが子に合うかどうかは、親の責任で絶えず吟味していることが必要です。

わが子の実状をよく見て、それに応じて対応するということは、どんな場合でも一番大切なことなのです。
実は、わが子こそ一番の情報源なのです。
この一番の情報源を常に意識しながら、いろいろな情報源を上手に使いこなして欲しいと思います。

以上、6つ提案をしました。
情報がビジネスの成否を左右するといいます。
子育てにおいてもいい情報を得ることはとても大切なことですから、ぜひ、みなさんやってみてください。
仕事ではインターネットを駆使しているのに、子育てではあまり使っていないという人も多いようです。
仕事で使うそのスキルを、子育てにも生かしてください。

初出「エデュメリー」(バンタンデザイン研究所)2006年~2007年

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