よりよい人生を送るためにもグローバルに活躍するためにも2つのことが大切です。
1つは自分の能力を高めて課題や仕事で成果を上げていくことです。

もう1つはいい人間関係を築いていくことです。

グローバル時代の今、子どもに本当に必要な12の力

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(本連載を1冊にまとめました)

この連載ではそれらについていろいろな角度から考えてきましたが、連載の最後にこれらの両方に欠くべからざるものとしてメタ認知力を挙げておきたいと思います。

「メタ」というのは「1つ上の段階の」「より高次の」という意味です。
メタ認知力についての専門的な見解はいろいろありますが、ここではより実践的に考えていきます。

メタ認知力をわかりやすく定義すると、自分の感情、思考、行為などを現在進行形で意識していられる力です。
もっと平たく言えば自分を客観的に見る力です。

例えば、人は誰かに侮辱されたときムカッとします。
メタ認知力がある人は「あっ、自分は今ムカッとした」と客観的に気づくことができます。

すると、我を忘れて怒りに飲み込まれてしまうことはなくなります。
不思議なことに、気づいているだけで飲み込まれることがなくなるのです。

メタ認知力がない人は自分を客観的に見ることができず、そのまま怒りに飲み込まれてしまいます。

また、人は大勢の前で話をするときあがってしまいます。
中には何が何だかわからなくなってしまう人もいます。

メタ認知力がある人は「今自分はあがっているな」と認知でき、それによって落ち着きます。お腹が空いたときや疲れたときも同じです。

「お腹が空いた」「疲れた」と感じているだけだとそれに飲み込まれてしまいます。
メタ認知力によってその状態を客観的に見ることができれば、自分をコントロールできるようになります。

このように、メタ認知力が高ければ高いほど自己管理力も高まり、それによってその他の諸能力も高まります。

さらに、メタ認知力が高くて自分のことがよく理解できる人は、当然他人の気持ちもよく理解して思いやることができます。
それによって人間関係もよくなります。

では、どうすればメタ認知力を高めることができるのでしょうか?
まず効果的なのが童話、児童文学、漫画、映像作品などで心理描写に触れることです。

登場人物の感情、思考、行為などを疑似体験する中で、「人はこういうときこう考える」「こういうことを言われるとこういう気持ちになる」と学ぶことができます。

すると、自分が同じ状況になったとき、自分の感情や思考を客観的に理解できるようになります。

次に、日記も効果的です。
自分を振り返りながら「このとき自分はこう感じていた」と書く作業は、自分を客観的に見る訓練そのものです。

それが実際の場面で自分を客観的に見る力を育ててくれます。

もっと小さい子の場合は、親が振り返りの機会を設けてあげるといいでしょう。
友達が遊びに入れてくれたとき、友達とけんかしたとき、病気で幼稚園を休んだときなど、どんなことをしてどんな気持ちがしたか話させます。

すると、子どもは自分の無意識の行動や漠然とした気持ちを言語化して伝えてくれます。
この作業が自分を客観的に見る力を育ててくれます。
なお、子どもの話は共感的に聞くことに徹してください。

最後にお勧めしたいのが禅などの瞑想です。

瞑想とは目をつむって何かを考えることではなく、鮮明な意識だけがあって何も考えない状態です。

瞑想においてこの状態を保つことで、日頃からより鮮明な意識状態が保てるようになります

初出『子ども英語ジャーナル』(アルク)2012年3月号

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